思考の癖
人の思考には、それぞれの人によって異なりますが、以下の様な癖があります。
- 思い込み
- 白黒思考
- べき思考
- 自己批判
- 深読み
- 先読み
思い込み
自分が思い込んでいる事だけに意識が集中し、根拠がまったく不十分なのに、自分の考えだけが正しいと決めつけます。そうすると、自分の思い込んでいる事以外の事実が見えなくなってしまいます。
思考をする際に、仮定を設定して推論を進めていくことは必要な事ですが、仮定が間違っている事もあります。
ですから、本当に合っているのか?何故その考え方で良いのか?と常に疑問を持つことが必要です。
そして「多角的な視点で眺めてみること」「柔軟に考えること」を意識する必要があります。
白黒思考
これも「思い込み」の一種です。
物事をすべて「善」か「悪」か、「正解」か「不正解」か、「白」か「黒」か、といった風に、極端な考えで決めつける思考です。
例えば、「ミスをした人は駄目人間だ」と決めつけることが白黒思考です。
ミスしたとしても、たまたまミスをしたかもしれないし、
他のことでは上手くやれるかもしれないし、
ミスを反省すれば次は上手くやれるかもしれません。、
単純化された白黒思考は、思考の柔軟性を阻害し、思考停止に陥らせる可能性があります。
べき思考
「〜しなければならない」「〜すべき」と考えるのが、「べき思考」です。
これも「思い込み」の一種です。
例えば、「この仕事は納期までに自分が終わらせなければならない」と考えていて、体調を崩していた場合、さらに無理して仕事をして入院する事になったら、その為に仕事も途中で中断せざるおえません。
そうなると、自分に対しても、仕事に対しても最悪な事態です。
「〜しなければならない」と思い込むのでは無く、その時々の状況によって柔軟に物事を考える必要があります。
自己批判
よくないことが起きると、全て自分の責任だと考えて、自分を責めてしまう思考傾向です。
例えば失敗した時、そこには色々な要因が重なり合っていると考えられます。
自分の責任もあるかもしれませんが、他者の責任も合わせて影響してしている場合もあります。
また、自分達の力ではどうすることもできないこともあります。
自分を責めてばかりでいると行動できなくなってしまいます。
客観的に事実を見つめ、原因を分析し前向きに対策を実行すれば、解決するはずです。
いつまでもネガティブな感情を引きずらない様に、原因・対策が終わったら、前向きに気分を切り替える必要があります。
深読み
相手の気持ちを、一方的に深読みして、そうに違いないと思い込んでしまう思考傾向です。
相手の心の中は、簡単に覗く事はできませんし、そんなに単純な感情では無いと思います。
確証を得られない「そうかもしれない」「そうでないかもしれない」といった事にあまり悩みすぎても、時間の無駄だと思います。
先読み
自分で「ネガティブな思い込み」により悲観的な予測を立ててしまう思考傾向です。
例えば、新しいチャレンジに対して「失敗してしまうのではないか?」と予想してしまうことです。
未知なことは、やってみなければわからないこともあります。
ネガティブな未来予想をすると、自分の行動を制限してしまいます。
また、余分な力が入り普段通りの力が発揮できなかったりします。
自動思考とは
自動思考とは、何か出来事が起きたときに習慣的に浮かぶ考えやイメージです。
人間には思考の癖があります。
その癖によって
- 思い込み
- 白黒思考
- べき思考
- 自己批判
- 深読み
- 先読み
のような、歪んだ思考が自動的に行われます。
人間が考えることの95%は毎日同じことの繰り返しと言われています。
自動思考がネガティブに働くと、ネガティブな感情が発生し、客観的に物事を判断できなくなります。
そして、行動を制限し、不必要な悩みを抱えるようになります。
まずは、人の思考には癖があり、私たちはその癖に従って自動思考してしまっているという事を認識する必要があります。
悲観的に考えが偏る
私たちは1日に6万回の思考を行っているそうですが、そのうちの約80%は、ネガティブな思考になりがちなのだそうです。
ネガティブな思考になりがちなのが悪いのではなく、それによって考え方がネガティブに偏ってしまうことが問題です。思考がネガティブに偏りすぎると心が疲れてしまい、視野が狭くなってしまいます。
ネガティブな気分になったとき、「1つの考え方」に囚われると心がポキンと折れてしまいます。
柔軟に色々な視点で物事を考える事で客観的に自分を見つめることができます。
道に迷ってわからなくなった時、不安な気持ちのまま惰性で進み続けるのでは無く、一度立ち止まって「このままでいいのか」冷静に確認することも大切です。
不安のままその不安の正体が「曖昧でわからない」な場合、ネガティブな感情が支配し、理性的に思考することができなくなってしまいます。
精神を落ち着かせ、理性的に思考できるコンディションを取り戻す必要があります。
現状を正確に把握することで、物事を客観的に判断できるようになります。
自動思考を改善する
自動思考を改善する為には、まず、自分には思考の癖が存在することを認識する必要があります。
そして、自動思考によって引き起こされる感情に振り回されないよう意識する必要があります。
ネガティブを放置すると、「自動思考の罠」にはまり、どんどん深みにはまっていきます。
客観的に状況を把握できるコンディションを作り、「自動思考の罠」から意識的に抜け出す必要があります。
自動思考の罠の多くは「思い込み」によるものです。
「1つの考え方」に囚われるのではなく、柔軟に多角的に理性的に思考するよう意識しなければなりません。
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