全ては繋がっている | 縁起 | 因果

人生

縁起とは

全ての物事には、原因(因)があり、それが何かの条件(縁)に合って、さまざまな結果(果)に結びついています。
手をたたくとパチンと音が出ますが、右手と左手(因)が合わさる(縁)とパチンと音が出るのです(果)。

物事には、必ず原因があり、そしてその条件が合ったときに、結果として現れます。
我々の身の回りで起きている事象は様々な縁が関係しています。この事を縁起と言います。
そして全ての結果(果)には原因(因)があります。これを因果と言います。
良い行いをすれば良い報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあります。
これをそれぞれ、善因善果・悪因悪果と言います。
そしてそれぞれの結果は、自分の行いが招いた事であり、これを自因自果です(または自業自得)。
良いも悪いも自分が意思を持っておこなった結果です。

自業自得とは「自らの意思で行った事により、その結果を自ら得る」という事です。
幸運は偶然起こるのではなく、良い事をした(因)の結果(果)として返ってきています。
不幸は偶然起こるのではなく、悪い事をした(因)の結果(果)として返ってきています。
例えば、日頃から人を見下した態度(自業)を取っていると、コミュニティから孤立してしまいます(自得)。
例えば、人が嫌がる事でも人のために率先して行う(自業)と、人望を得る事ができます(自得)。
全ての原因は、自分自身にあるといった考え方が「自因自果」です。
他人を呪えばいつかその呪いが自分にも跳ね返って来ます。(人を呪わば穴二つ)よって他人を呪うならば、他人と自分の墓穴を二つ用意しなければなりません。
阿含経に「これある故ゆえにかれあり、これ起こる故ゆえにかれ起こる、これ無き故ゆえにかれ無く、これ滅する故ゆえにかれ滅す」とあります。全ての現象は、原因や条件が相互に関係しあって成立しており、独立して存在するものではなく、条件や原因がなくなれば、発生している結果も自ずからなくなります。

自分がこの世に存在しているのも、今こうして生きているのも、これから病気になって死んでいくのも全て「因果」が関係しています。因果にはタイムラグがあります。種をまいても直ぐには芽がでません。お酒を飲み過ぎても直ぐには病気にはなりません。原因に対して結果は遅れてやっていますが、必ず因果関係があります。

過去・現在・未来

過去が原因で現在の結果があることを過去因・現在果と言います。
現在が原因で未来に結果があることを現在因・未来果と言います。
因果応報とは、原因(因)によって結果(果)が起こるのは、自らの行為(業)によるものだといった考え方です。
過去の行為(業)が原因(因)となって、現在に結果(果)が起こる事が過去因・現在果です。
現在の行為(業)が原因(因)となって、未来に結果(果)が起こる事が現在因・未来果です。

煩悩と苦悩

煩悩(惑)によって誘惑され、行為をして(業)、その結果、苦悩(苦)する。これは人間の業です。
甘い物を食べたいといった煩悩(惑)によって誘惑され、甘い物を食べてしまい(業)、糖尿病になり苦しんでいる(苦)人はいると思います。
サボりたいといった煩悩(惑)によって誘惑され、学業を疎かにし(業)、社会に出て苦しんでいる(苦)人はいると思います。
部屋の掃除はめんどくさいといった煩悩(惑)によって誘惑され、掃除をサボって(業)、汚部屋で気分悪く過ごしている苦)人はいると思います。
全ては因果応報、自分が蒔いた種が原因となっています。

怒り・不安・猜疑心

「怒り」「不安」「猜疑心」などは全て心に存在し「苦」となります。
これらは、自分の事しか見えていない、視野が狭い自己中心性からくるものであり、その結果、何か行動を起こしたり、発言をしたり、思考すると、巡り巡って自身の心に「苦」が生まれてしまいます。
利己的な思考を抑え、他者への共感性、慈悲を持つことで、結果的に「苦」を滅する事ができるといった考えが「縁起」です。

運命の分かれ道

不幸が来たときには、必ず原因があります。それぞれの結果は、自分の行いが招いた事であり自因自果です。
不幸が来たときこそ、自分を振り返って反省できるかどうかが、運命の分かれ道です。
自分を正当化して(自責は考えず)、他人のせいにばかりしても(他責)、根本的に事態が改善することはありません。自分の運命を生み出しているのは、善くも悪くも、すべて自分の行いが起因しています。
失敗したら原因を分析して反省して、同じ失敗を繰り返さないようにする事が大切です。
不幸が来たら、都合が悪いときほど、自分の行いを反省して、悪いことをやめて、善い行いをするようにしなければなりません。
「過去因・現在果」は、既に起きてしまった事なので変える事はできませんが、「現在因・未来果」は反省して悪いことをやめて、善い行いをする事で変える事ができます。

老死は生まれることによって起こる

老死は生まれることによって起こります(起)。
四苦八苦の四苦とは「死苦」「病苦」「老苦」「生苦」のです。

「死苦」「は死んでいく苦しみ、
「病苦」は病気の苦しみ、
「老苦」は老いの苦しみ、
「生苦」は生きる苦しみです。

八苦には、「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとっく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」があります。
愛別離苦とは、「愛する人・モノとはいつかは別れなければならないという苦しみ」です。
怨憎会苦は「恨みや憎しみを抱いてしまう人と出会ってしまう苦しみ」です。
求不得苦は「求めたものが得られないことの苦しみ」です。
五蘊盛苦は「私たちの心や体は苦しみ、心身を思うようにコントロールできない苦しみ」です。
全ての苦しみは人が創り出す心の中にあります。つまり因果により原因は自分にあり結果も自分に返ってきます。

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