寒苦鳥(かんくどり)

人生

昔、一年中雪に閉ざされているヒマラヤ山に、寒苦鳥という名の鳥の夫婦がいました。
寒苦鳥は巣を持っていませんでした。
それでも昼間はぽかぽかしているので、日向で遊んで暮らしています。
しかし、日が暮れると急に温度が下がって、寒い夜がやってきます。
「夜があけたら、巣をつくろう」そう思うのですが
朝が来て暖かくなると、また、ぽかぽかしているので怠けてしまいます。
そして夜が来ると、またぶるぶると震え「どうしてあのとき巣を作らなかったのだろう」と後悔し、
「明日こそは巣を作ろう」と思いながら長くて寒い夜を過ごすのです。
そして次の朝、「今日こそ巣を作らなければ」と思うのですが、
友達が誘いにきて断り切れずに遊びに行ってしまいます。
遊んでいても心の底で巣のことが気にかかって思い切り楽しめないのですが、
怠惰な生活から抜け出すことができません。
毎日、怠惰と後悔を繰り返す様を
「夢の浮き世を日長に思い 暮れて泣きやる 寒苦鳥」と表現しています。
ついに、寒苦鳥はあまりのひどい寒さに、とうとう、話すこともできなくなってしまいました。
「私たち、死んでしまう」と思った時に
「なぜ、お前たちは、そんな目にあっているのかわかるか?」と仏様の声が聞こえます。
「目の前の欲に騙されて、明日にしよう、明日にしようって怠けていたから」と寒苦鳥は泣きながら後悔します。
仏様は、にっこりとうなずかれ、つぎの朝、目を覚まします。
寒苦鳥たちは命ある事を仏様に感謝し、まじめに働くようになりました。

死を意識すると、後悔の無い人生を送らなければいけないことに気づかされます。

大病して分かったこと

私は20代の頃、大病をして入院・手術を経験しました。その時、同じ病室や同じ病棟で、何人か知り合いになった人の死に直面しました。昨日まで世間話をしていた人が、今日は死んでいます。人間は死ぬと肌色が変わり、無機質な物体へと変化してしまいます。自分もいつか死ぬと無機質になると思った瞬間に、生きていることのありがたみと、残された命への執着が強くなりました。
そして「楽で何もない人生よりも、大変でも充実した人生を送りたい」と思いました。
ゲームだって簡単すぎるゲームより、難しくても、ステージをクリアした時の達成感が味わえた方が充実していると思います。人生は一度だけだから、大変でも悔いが残らない人生を送りたいと思います。
生きているときにしかできないことがあります。
死ぬ間際に後悔してもしょうがありません。
明日に先送りしていては後悔してしまうかもしれません。今日、充実した人生を送りたいと思います。

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