「なんくるないさ」

人生

沖縄の方言に「なんくるないさ」という言葉がありますが、皆さんどんな意味かわかるでしょうか?
「なんとかなるさ」という意味だと思いました?

南国の穏やかな気候の中で、人々ものんびりとしていて、何か困ったことがあったとしても気にせず、「なんくるないさ」とゆったりと構えている、そんなイメージがあります。

しかしながら、本当の意味は、ちょっと違います。
次の言葉で正しい意味を説明しましょう。

「まくとぅそーけー、なんくるないさ」

この意味は、「人として正しい行いをしていれば、自然となるようになるものだ」または「ちゃんと挫けずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつかきっと報われて良い日がやってくるよ」という意味です。
尽人事而待天命(人事を尽くして天命を待つ)と通ずるものがあります。

沖縄は終戦直前、連合国軍と日本軍ですさまじい戦いが行われました。
使用された銃弾・砲弾の数は、連合国軍側だけで2,716,691発。地形が変わるほどの激しい戦闘で、日本側の死者・行方不明者は188,136人でした。
そして、戦後、沖縄はアメリカに占領され1972年(昭和47年)にアメリカから日本に返還されます。
沖縄戦終結後、沖縄は占領下のドン底の状態からスタートしました。
その日を生き延びるだけで大変な生活の中で、ほとんど何もないところから復興を始め、人たちにあるのは苦労だけでした。

世の中は辛さに溢れ、物事の大半は上手くいかないことばかり。
だけど、それでも生きていかなければならない。
その時が来るまで、耐え、誠実に生きていれば、きっと上手くいく。命があっただけで良かった、生きていれば希望はある。そう思いながら毎日を懸命に生きてきました。
そういった沖縄の人々の想いが。「まくとぅそーけー、なんくるないさ」によく現れていると思います。
沖縄には、今、31の米軍専用施設があり、米軍基地は沖縄本島の約15%の面積を占有しています。国土面積の約0.6%しかない沖縄県に、全国の米軍専用施設面積の約70.27%が集中しているのです。
それでも、「誠実に生きていれば、きっと上手くいく」「なんくるないさ」と沖縄らしいのんびりとした言葉で言ってのける沖縄の人たちにはとても頭が下がります。

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