老化と能力の衰え

人生

「1万時間の法則」をご存じでしょうか?
マルコム・グラッドウェル氏が提唱した法則で、ある分野で一流として成功するには、1万時間の練習・学習が必要だというものです。

一日、約9時間ずつ練習・学習に取り組むと、約3年間で1万時間になります。
昔から「石の上にも3年」ということわざもあります。
こつこつと努力をすると言う意味で、「1万時間」はある意味目安なのかもしれません。
ただし、「1万時間の法則」には反論意見が多くあります。

  • 単なる時間の問題では無く、質が重要である
  • 効率よく努力すれば、もっと短い時間で熟達できる
  • チェスや音楽において、練習がパフォーマンスに寄与するのはわずか3分の1である
  • 練習は習熟の12%にしか寄与しない
  • 1万時間の法則は20歳までに限る

などです。

では20歳を過ぎたら、努力しても無駄なのでしょうか?
能力には色々とあり、それぞれの能力のピークの年齢は異なるようです。
それぞれの能力の年齢のピークは以下の通りです。

  • 18歳前後:総合的な情報処理能力と記憶力
  • 22歳:名前を記憶する能力
  • 32歳前後:顔認識能力
  • 43歳前後:集中力
  • 48歳:感情認知能力
  • 50歳:基本的な計算能力
  • 50歳前後:新しい情報を学び、理解する能力
  • 67歳前後:語彙力

最近の研究では「脳は老化しない」「記憶力が落ちる原因は意欲によるもの」と言われています。年齢を重ねるとともに、経験や知識は積み重なり「知能は伸び続ける」とも言われています。
これまで生きてきた経験が糧になり、文化、教養、知識に関する知能は、意欲次第では老年期においても衰えません。
しかしながら、使わないものは錆付きます。脳や体も使わなければ退化します。
目新しくない同じことの繰り返しを行っていても退化してしまいます。
進化には努力や痛みが伴います。
新しいことを学ぶから脳が元気になって記憶力や集中力も維持されます。
学習については、受動的なものよりも、経験を伴う能動的なものが有効だと言われています。
例えば、以下のような効果があると言われています。

  • 単に授業を受けるだけだと5%の効果
  • 本を読むだけだと10%の効果
  • 音声やビジュアルを伴う学習だと20%の効果
  • デモンストレーションを伴う学習だと30%の効果
  • グループディスカッションだと50%の効果
  • 実際に経験を伴うと75%の効果
  • 教える立場を経験すると90%の効果

高齢化に伴う老化の始まりは、意欲の低下によるものであり
新しいことを学習しようとする意欲さえ有れば、能力はさらに進化する可能性があると言えます。

今後の日本の65歳以上の人口は以下通りです。必ず「超高齢社会」が到来します。

  • 2020年:29.1%
  • 2030年:31.6%
  • 2040年:36.1%
  • 2050年:38.8%

もはや、65歳で引退して若い世代に養ってもらえる時代では無いと思います。
70歳でも75歳でも新しいことを学び続け、現役でやっていく意欲が無ければ、日本は成り立ちません。

老化の始まりは、意欲の低下によるものです。
意欲さえ有れば、何歳になっても能力はさらに進化する可能性があると思います。
2ndキャリアを形成するために「1万時間の法則」を信じても良いのではないでしょうか。

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