クリティカルパスとは、プロジェクトの各工程(タスク)を線で結んだ時に最長となる経路のことです。
クリティカルパスが遅れるとプロジェクト全体が遅れます。他の作業をどんなに短縮しても、クリティカルパスが遅れてしまえば、意味がありません。プロジェクトマネージャはクリティカルパスを早い段階で把握し、遅れないような対策を行う必要があります。
開発プロジェクトに含まれるタスクは、前工程が終了しないと進めない、依存関係があります。例えば設計が終わらないと製造作業にかかれないとか、単体テストが終わらないと結合テストができないとかです。この依存関係を無視して、先行して後続の作業を行うと、結局は戻り作業が発生して、工数の増加や作業の遅延となってしまいます。
スケジュール管理を行う上では、それぞれのタスクの難易度や工数、誰をアサインするか、作業の依存関係、進捗を管理する必要があります。
その際に、クリティカルパスを把握することは重要になってきます。
特に外的要因により、クリティカルパスに影響がある場合は、要注意です。
例えば、お客様の要件が確定しないと設計には入れないとか、他システム連携のインタフェース仕様が決まらないと依存するタスクに着手できない場合、全体スケジュールに影響が生じます。外的要因は、回答期限を約束するとか、制約条件をつけるとかして、前もってリスク回避する必要があります。
クリティカルパスが内部要因に起因する場合、まず何が課題なのかを正確に把握します。
また作業ボリュームや生産性が正しいか、タスクにアサインした要員のスキルは大丈夫か、システムアーキテクトは適切かなど、現状を正確に把握する必要があります。
プロジェクトマネージャは、常にプロジェクトの進捗を測定し、実績を分析し、兆候を察知し、そこに潜むリスクをあぶり出し、事前に対策を講じなければなりません。
課題管理・進捗管理・成果物管理を適正に管理し、リスクはタイムリーに把握する必要があります。
「プロジェクトの成果物」から逆算して、進捗管理・課題解決が適正に行われれば、プロジェクトは正常に遂行できます。
問題があれば、問題の原因を調査し対策を講じれば良いはずです。
問題が生じてスケジュールに遅れが生じる場合は、要員・スコープ・納期の調整などを行います。
最悪なのは、作業者にタスクを丸投げして、問題が把握されておらず、プロジェクトの終盤でプロジェクトが修羅場と化すパターンです。
意外とこのようなプロジェクトマネージャは多いのではないかと思います。
ベテランでもマネージメントのスキルが不足している場合は多いと思います。
この場合のクリティカルパスはプロジェクトマネージャです。
任命する側も、プロジェクトマネージャの力量を正確に把握し、場合によっては補助していかないと駄目だと思います。
コメント