会議や交渉で、立場や考え方が異なると、意見がぶつかり合い、なかなか話がまとまらない事があります。
多様な考え方がある事を認識し、それぞれの理由(利害や関心)や背景を理解し、対立の構造を捉え、前向きな話し合いを行うことで、利害関係者が満足、または納得できる状態に持っていくプロセスが大切です。
合意形成とは
表面的な「賛成、反対」だけではなく、その背景にある真の関心事項を関係者から聴き、全ての関心事項においてバランスよく納得できる内容を創り上げていく、前向きな話し合いのプロセスです。
合意形成の基本
合意形成については、以下の内容を意識して行っていく必要があります。
- 何についての合意形成か、対立するポイントや全体の目的・方向性を理解する
- 利害関係者は誰か、その相関図を整理する
- 利害関係者全員の利害や関心ごとは何か、その背景や理由をヒヤリングする
- 対立の構造を整理する
- 全員が満足、少なくとも納得できる案ができたとき、合意に至る
合意形成における質問スキル
合意形成に至る過程において、次の4つの質問スキルを使い分ける必要があります。
・洗い上げ質問
・掘り下げ質問
・示唆質問
・まとめの質問
洗い上げ質問
「疑問や懸念を遠慮なく出してください」「気になる点はありませんか」「ひっかかる点はありませんか」「さらに問題はないでしょうか」と、答える方が、自由にストレスがかからないよう、意見を洗い上げる質問です。
掘り下げ質問
「最も重要な問題はどちらの内容ですか」「心配な点はどの点ですか」「ご意見のあったものの中で、優先して検討したいのは何ですか」というように、最も深刻な懸念は何かを掘り下げていく質問です。
「洗い上げ質問」が不十分で、「掘り下げ質問」への移行が早すぎると、見せかけの合意となってしまいます。
示唆質問
ある前提をおいて、方向性を示唆し、その方向性へ誘導していく質問です。
例えば、「時間がないからできない」ということであれば、「もし、スケジュールを調整すれば、できますか?」といった感じです。
まとめの質問
結論を共有する際も、質問で行います。
「やりなさい」という命令ではなく、「XXXXXXということでよろしいでしょうか」というように、質問により合意確認します。
合意形成のメリット
合意形成のメリットには次のものがあります。
- 一方の意見だけでなく、相互の意見の一致を行う事で納得度が高まります。
- 実行度が高まります。合意をしいる事柄には、人は協力的になります。
- 人は合意事柄には、当事者意識が生じ、関係性が維持されます。
- 納得した内容で合意しているため、意思決定の質が高まります。
合意形成のポイントは、賛成・反対という主張をぶつけ合うのではなく、その裏にある理由(利害や関心)を聴き、それらを満たす提案をしあうことです。
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