アーンドバリューマネジメント(Earned Value Management)

プロジェクトマネジメント

アーンドバリューマネジメントとは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗度・コスト消費度合などを把握・管理する手法の一つです。
作業の到達度をEV(Earned Value:出来高)で把握します。
プロジェクトマネジメントを行う場合は、是非知っておきたい考え方です。

まず言葉の説明から行います。

以下に具体的な例を使って説明しましょう。総予算:6000万円———————–BAC
・開発総期間:10カ月
・開発機能総数:100本(※1本あたり60万円で開発できると計画)
・現在8カ月経過
・計画上80本のプログラムが完成はずだった
 →出来高計画値(計画時点で見積もった予算コスト)
PV=60万円×80本=4800万円
・実際は70本のプログラムが完成しており、4000万円のコストが消費されている
 →出来高実績値(現時点までに完成した作業の予算コスト)
 EV=60万円×70本=4200万円 
→出来高実績値(現時点までに完了した作業の実コスト)
 AC=4000万円

・スケジュール差異
 EV-PV=4200万円-4800万円=▲600万円
※600万円分のスケジュール上の遅れが生じています

・コスト差異
 CV=EV-AC=4200万円-4000万円=200万円
※200万円分コストに余裕があります

・スケジュール効率指数
 SPI=EV÷PV=4200万円÷4800万円=0.875
※予定に対する進捗が87.5%で、当初の予定より遅れていることがわかります

・コスト効率指数
 CPI=EV/AC=4200万円÷4000万円=1.05
※計画では4200万円消費される予定のところ、4000万円しか使われておらずコスト効率が良いことがわかります。(1以上は効率が良い、1未満は悪い)

・残作業コスト予測
 ETC=(BAC-EV)÷CPI=(6000万円-4200万円)÷1.05≒1714万円
※このままの作業効率が維持された場合、残作業を完了するまでにあと1714万円を要すると予想されます。

・完了時コスト予測
 EAC=AC+ETC=4000万円+1714万円=5714万円
※このままの作業効率が維持された場合、完成までのトータルコストの予想は5714万円となります。

・完了時コスト差異
 VAC=BAC-EAC=6000万円-5714万円=286万円
※完成時の予想コストが当初の予算よりも286万円少ない金額で着地しそうだとわかります。

アーンドバリューマネジメントは、プロジェクトが計画通りに進んでいるのかをより定量的に把握する事ができます。
定量的に把握する事によりプロジェクトの進捗を客観的に把握することが可能となります。
「作業の進捗が計画通りに進んでいるか?」「費用増になっていないか?」など、問題を具体的に把握しやすくなり、将来を予想した対策が取りやすくなります。

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