ユダヤの法則
ユダヤの法則とは、世の中はすべて78:22の割合で成り立っているという考え方です。
例えば、以下のようなモノがあります。
- 地球の海と陸地の割合は、海が78%に対して陸地が22%
- 空気中の成分の割合は、窒素が78%に対して酸素が22%
- 人の体の成分の割合は、水分が78%に対してそれ以外の物質が22%
- 健康な人の腸内の菌の割合は、善玉菌が78%に対して悪玉菌が22%
- 肺呼吸と皮膚呼吸の割合は78対22
- 足裏にかかる体重の割合は、かかとが78%に対してつま先が22%
- 一般人とお金持ちとの比率は、78対22
- 正方形の内側に描かれた円と円以外の面積は、約78対22
(計算式)
正方形の1辺=10とすると
・正方形の面積=10×10=100
・円の面積=5×5×3.15=78.75
ちなみにマクドナルドの390円セットの 「サンキューセット」はこの法則に従ったと言われています。
当時、マクドナルドの藤田田氏は、平均的な昼食の予算を1コイン500円と計算し、顧客はそのうち78%を使うと考え、500円×78%=390円としたそうです。
藤田氏の田という名前は、母親がキリスト教徒で、「口」に「十字架」として「田」名付けられたそうです。
ただし本人は自身をクリスチャンではなく、「銀座のユダヤ人」を自称していたようです。
一般人とお金持ちとの比率
2017年の国税庁統計の「日本の世帯の純金融資産保有額」を以下に示します。
一般人とお金持ちをどこで区別するかといった議論はあるかと思いますが、お金持ちを純金融資産保有額が3000万円以上の人とした場合、以下の表の通りとなります。ここでもユダヤの法則:78:22の法則が成り立っているように思えます。
パレートの法則
パレートの法則とは、経済活動において「全体の数値の8割は、全体を構成するうちの2割の要素が生み出している」という理論です。ユダヤの法則(78:22の法則)と近くありませんか?
例えば、以下のようなものです。
- 会社の売上の8割は、その会社の2割の商品で生み出している
- タスク(仕事)の内、2割のタスクが8割の効果を上げている
- 問題の8割は、全体の2割に原因がある
- 働きアリの2割はサボっている
- 普段着る服の8割は、お気に入りの2割で着こなしている
全て要素の内、「2割の要素」 が「事象の8割」を生み出しているというのが、パレートの法則です。
つまり、重要な2割に資源を集中することで8割の効果が得られます。
ここでいう資源とは、「カネ」「ヒト」「モノ」「情報」「時間」「知的財産」です。
資源は無限ではありません。
100%を目指すと、資源がいくらあっても足りません。
そこで取捨選択が必要です。
重要なこと重要でないことを判断し、「やること」「やらないこと」を決める必要があります。
やるべきことの上位「2割」で、「8割」の効果を生み出すという事になります。
完璧主義の弊害
完璧主義とは、ユダヤの法則の黄金比(78:22)を無理に壊そうとするものです。
実は残りの22%を実現する為には、約4倍の努力が必要となります。
完璧を目指すと、実現できない事へのいら立ちやストレスから疲弊してしまいます。
やがては精神が崩壊する一つの要因になるのではないかと思います。
「頑張りすぎて疲れてしまう」
「ちょっとした妥協が許せない」
「心配性」「ミスが怖い」
「人から非難されたくない」
「自分に厳しく、ダメな部分に意識が集中して自己に否定的になり、自分を追い詰めてしまう」
「他人に厳しく、ダメな部分が目について、他人を追い詰めてしまう」
「中途半端が許せない」
「少しでもつまづくとくじける」「柔軟に対応できない」
「追いつめられると視野が狭くなってしまう」
ということはありませんか?
もちろん、理想が高いという事は良い事ですが、その為に、精神が疲弊したり、心が折れたり、打たれ弱くなってしまっては意味がありません。
78%で満足する
実は残りの22%を実現する為には、約4倍の努力が必要です。
ですから、78%で満足する人生はとても効率が良いと言えます。
78%で最高点、残り22%は改善点と考え、後回しで良いと思います。
残りの22%は、「余白」 として残しておきます。
「余白」は未来の為の、伸びしろと考えます。
失敗が22%以内ならば、想定内と考えます。未来に必要なための失敗と考えます。
余白分があると考える事は、未来においてさらに成長する可能性があるということです。 (完成度が高すぎると余白がありません)。
ある程度の欠陥は、バランスを取るために必要です。
自分と意見の合わない人も一定の割合で存在します。
自分の思い通りにならないことがあってもそれは当たり前です。
78%満たされていたら、それで満点です。
ユダヤの法則とは22%は達成せずとも良い(失敗しても良い)、「達成できなかった事は明日以降にやれば良い」という考え方です。
完璧は目指さなくて良いのです。
1回で完璧に仕上げようとしない
初めての仕事を行う場合は早い段階で、方向性が正しいのかを確認すべきだと思います。
仕事がある程度進んで、その方向性が間違っていたと気付くと、全てやり直しになる場合があります。
よって、早い段階で、ほとんどができていなくても、自分の方向性が正しいのかを確認した方が良いと思います。
できたら、22%位の進捗度で確認するのがよいでしょう。
交渉は78%の勝利を目指す
関係が良好な相手、または良好な関係を築きたいと考える場合、交渉により全面勝利にできるとしても、あえて78%の勝利で抑える方が良いと思います。短期的に完全な勝利で終えるよりも、長い目で見て相手に最低でも22%の華を持たせることで、良好な関係は継続できると思います。
システム開発におけるユダヤの法則
ユーザーから出される要求の内、優先度上位22%の要求を実現することで78%の効果が得られると考えます。
システムの要件定義を行っていると、細かい要求がたくさん上がってきます。
全てを実現していると、お客様の予算は完全にオーバーしてしまい、納期も間に合わなくなります。
システム化の予算は決まっています。実現したい時期も決まっています。
しかし、資源(「カネ」「ヒト」「モノ」「情報」「時間」「知的財産」)は限られます。
そこで、重要な要件だけに絞り込む必要があります。取捨選択です。
資源は、効果の高い要件を選択し、そこに集中することで、高い効果を生み出します。
システム開発での失敗は、要件定義フェーズで要件の整理(絞り込み)がうまくいっていない場合が多いと考えます。
完璧なシステムは存在しません。78%完成度のシステムを目指すべきだと思います。
22%の余白が無いとはみ出てしまう
正方形に円が収まるためには、約22%の余白が必要です。
この余白が無いとはみ出てしまいます。
何かを行う場合、1回目では最大限78%の達成度で良いのです。
2回目では残りの22%に対して78%実現できると
78%+22%×0.78=95%へとレベルアップします。
これを何回も何回も繰り返すことで、限りなく100%に近づいていくことになります。
毎回78%で満足しているだけで十分です。
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