複雑な問題は分解して考える | 問題を因数分解する

論理思考術

因数分解について

以下の式だと難しく見えますが
x2+(a+b)x+ab
因数分解すると少し簡単に見えます。
x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
これが、数学でなく実社会の問題だった場合、xとaとbの要素が
x2+(a+b)x+ab
といった感じで絡み合っていると、何がなんだかわかりません。
しかし
(x+a)(x+b)
だったら、少しわかりやすくなっていると思います。
複雑な問題は因数分解するとわかりやすくなります。

問題を分解して考えてみる

例えば、売上げが伸びないといった課題があった場合、次のように売上げを分解してみます。
売上 = 席数 × 回転数 × 客単価
そうすると売上を上げる為には、席数を増やすか、回転数を上げるか、客単価を上げれば良いことがわかります。
そこで、

  • どうやって席数を増やすか
  • どうやって回転数を上げるか
  • どうやって客単価を上げるか

を考えれば良くなります。
これをさらに分解して、イメージしやすいレベルまで分解して解決策を考えます。
例えば、客単価は以下で決まります。
商品の単価×購入点数

次に

  • どうやって魅力的な単価の高い商品を開発するか
  • どうやって購入点数を増やすか

を考えます。
例えば、「購入点数」を増やす方法としてわかりやすいのがマクドナルドの例です。
マクドナルドではハンバーガーを買うと「ポテトはいかがですか?」と聞かれますよね。
この様に問題を要素別に分解して、解決案がイメージできる所まで分解して問題解決を検討するとわかりやすくなります。

問題解決の手順

問題解決は次の様な手順で行います。

  • 解決すべき課題を明確にする
  • 課題を分解して本質的な問題を見つける
  • 解決策を複数考え、評価し、優先順位を決める
  • 解決策を実行する為の計画を作成する

解決すべき課題を明確にする

まず課題と思われる事項を書き出します。
その中で、重要な課題に絞り込みます。

課題を分解して本質的な問題を見つける

課題をわかりやすいレベルまで分解します。
その中で、目的を阻害している度合いにより重要度を整理します。

解決策を複数考え、評価し、優先順位を決める

解決策を複数出します。
それを、評価基準を定めて評価し、効果の高いものの順に優先順位を付けます。

解決策を実行する為の計画を作成する

期間を決め、その中で優先順位の高い解決策をどこまでを実行するかを決め、
それぞれの解決策を、「何を」「いつまでに」「誰が」「どの様な手順」で行うのか計画を作成します。
計画の中では5W1Hが明確になっていなければなりません。

フェルミ推定

フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算するものです。
例えば、「日本全国のコンビニ弁当の売上はいくらか」といった問いについて、直接調査が難しい場合、フェルミ推定を使って答えを導いていくと次の様になります。
「日本全国のコンビニ弁当の売上」=「購入者数」×「弁当の平均単価」
さらに式を分解すると
「日本の人口」×「弁当を購入する人の割合」×「弁当の平均単価」
となります。
そこで、さらに実際の店舗に行ったり、アンケートを採ったりして仮説を立てていきます。
2017年の統計だと、弁当を購入する人の割合は1割強だそうです。
そうすると

  • 日本の人口=1億2,600万人
  • 1日に弁当を購入する人の割合=0.1
  • 弁当の平均単価=700円

これを式に代入して
「1日の日本全国のコンビニ弁当の売上」=1億2,600万人×0.1×700円=88.2億円
となります。

問題を分解する方法

問題を分解する方法としては、以下の方法があります。

  • 5W1H
  • 2軸図
  • マインドマップ
  • マンダラート
  • 形態分析法
  • ロジックツリー
  • ピラミッドストラクチャー
  • オズボーンのチェックリスト
  • PEST分析
  • SWOT分析
  • CVCA
  • AIDMA
  • AISAS
  • STP分析
  • VRIO分析
  • ビジネスモデルキャンパス
  • AARRRモデル
  • 3C分析
  • 5フォース分析
  • バリューチェーン分析
  • 4P分析
  • ファネル分析
  • RFM分析

問題を分解するためには、上記の分析方法を使ったり、図式化したり、傾向を見るためにグラフ化することも有効です。
それぞれの分析法は、用途に応じて使い分けてください。

演繹法と帰納法

演繹法とは、抽象度の高い事実から具体的な事実に落とし込んでいく方法です。
例えば、事実1「人間はいつか死ぬ」と事実2「ソクラテスは人間」の場合
事実1×事実2から導き出されるのは「ソクラテスはいつか死ぬ」ということです。
演繹法では「事実1」×「事実2」→「結論」といった具合に結論を導き出します。
帰納法とは、複数の具体的な事実をベースとして抽象度の高い結論を導き出す方法です。
例えば、「リンゴにはビタミンが含まれる」「みかんにはビタミンが含まれる」「いちごにはビタミンが含まれる」よって「フルーツにはビタミンが含まれる」と結論を導き出します。
帰納法は複数の事実から、共通点を抜き出し、結論を導き出します。

悩むよりロジカルに考えた方が良い

複雑な問題を抱えて、精神的に参っているとき、悩んでいるだけでは状況は改善されません。
問題を分解して、具体的な解決策を検討して、一つずつ解決していけば、必ず改善されます。
一つずつ改善に向けて、問題を分解してロジカルに思考することにより、確実に前進します。
感情的に悩みを抱えたまま立ち止まるのではなく、ロジカルに思考して行動することにより、精神的にも楽になると思います。

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