天動説という常識
15世紀頃の中世ヨーロッパでは、人々は地球が宇宙の中心にあり、地球の周りを太陽や惑星が回っていると考えていました。いわゆる天動説です。その後、コペルニクスが地動説を発表し、天文学者たちの間でさまざまな論争が起こります。それでも中世ヨーロッパではキリスト教は天動説を強く支持し続け、地動説が世の中に支持されてからも地動説を決して認めることは無く、20世紀の終わりにやっとローマ法王庁が地動説を正式に認めたました。
水は100℃で沸騰するという常識
「水の沸点は100℃」が一般的な常識だと思われますが、実はそうでもないのです。
気圧が低い高山では沸点が異なります。
3776mの富士山の頂上では約87.8で沸騰します。
8848mのエベレストでは約70℃で沸騰します。
空気のない宇宙では-50℃で沸騰します。
水を熱すると、水の分子は動き始めますが、気圧に押さえられている内は外へ飛び出しません。
しかし、気圧が低いと分子を押さえつけている力が小さくなり、低い温度でも沸騰するという理屈のようです。
コロナウィルスで常識が変わった
コロナ前は、会社は出勤するのが当たり前でしたが、密を避けるため、テレワークが推奨されるようになりました。
コロナ前は、東京の人口は増え続けていたそうですが、今は減少化傾向にあり、東京から少し離れた住宅地が人気だそうです。
「東京が一番いい」という考え方から「地方」が見直されるようになっています。
今後は、オフィスはあまり必要なくなり、ネットワークさえ繋がれば、地方都市でも海外でも仕事できるようになるのかもしれません。
西欧諸国での”婚外子”の増加
フランスなど出生率を上げている西欧諸国では、結婚しないで子供を産む(婚外子)ケースが半分以上だそうです。
ちなみにアイスランドは70%が”婚外子”です。”婚外子”が多い理由は、社会的に事実婚が社会的タブーと考えられていなくなった為だそうです。ここ数十年で家族に関する定義(常識)が大きく変わってきている様に思われます。
日本の婚外子比率はわずか2.3%です。どちらが良いとは言いませんが、少なくとも婚外子にも経済的な不利益がないような社会をつくっていくべきだと思います。
日本では少子高齢化が問題となっています。将来的には社会保障制度が破綻するのではないかと心配しています。
結婚に関しても多様な考え方を受け入れる社会であっても良いのではないでしょうか。
常識は時代とともに変化する
常識は、時代や宗教や国によって異なります。
外国人から見ると日本の印鑑文化はとても不思議な文化だそうです。
なかなか普及しなかった電子契約も今後は普及し、収入印紙も無くなっていくと思います。
日本人の仕事に対する考え方ですが、かつて終身雇用が常識でしたが、今では「早期退職制度」「役職定年」は当たり前です。そして人生100年時代と考えるならば、「転職」は当たり前です。
「副業」「パラレルワーカー」という言葉も一般化しています。
仕事に対する考え方も大きく変化していると思われます。
AIの普及によって消えていくと予想される職種も沢山あるそうです。
一生、「一つの仕事しかしない」という常識が崩れつつあります。
これまで当たり前だと信じていた常識も時代によって変化するものです。
常識が不変であると思い込んでしまうと、時代に取り残されてしまいます。
固定的な価値観に固執し、思考停止になってしまうのは危険です。
今まで信じていた「固定観念」に囚われず。時代と共に変化しなければ生き残れません。
VUCA時代の到来
VUCAとは、
- Volatility(変動性・不安定さ)
- Uncertainty(不確実性・不確定さ)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性・不明確さ)
です。
現代はまさにこのVUCA時代に突入したと言っていいでしょう。
この変化の大きい、不確実性の社会の中でどの様に生き残っていけるかが課題です。
未来の価値観は、実は突然変わっているわけではありません。変化は必ず元となる色々な要因が起因して起こっています。例えば、第一次産業革命は蒸気機関の発明により工業革命が起こりました。
現代においても、Amazonなどの企業が生まれ、流通革命が起きているのは、パソコンやスマホやインターネットが普及した為だと思います。AI(人工知能)にしても、半導体の集積率が上がりコストが下がったことにより可能になった技術です。AR(拡張現実)VR(仮想現実)も、この半導体の集積率向上無しには実現しなかった技術です。
変化の激しい時代に生き残る
変化の激しい時代に生き残る為には、新しい知識を勉強し、新しい価値観に柔軟に対応することが必要だと思います。
変化は色々な技術が関連して起こっていると言いましたが、知識も色々な知識が関連して、理解が深まります。
一つ一つの知識は点かもしれませんが、知識と知識を結びつくと線になり、さらに色々な知識を身につけると面になりそして立体になります。色々な知識を身につけることにより、色々な場面で、色々な変化に対して柔軟に対応するための知識の引き出しを持つことができます。また、物事の捉え方には色々な視点があり、色々な角度から色々な見方があることを学べば、より多面的に物事を捉えることができるようになります。
必要なのは飽くなき知的好奇心であり、「疑問に思い」→「調べて勉強し」→「自分の頭で考える」事です。勉強は、やらされている(have to)の時はつまらないものですが、知的好奇心(want to)を持つと楽しくなってくるものです。わからない言葉が多い時は、脳は拒否反応を示してしまいますが、知識が増えて知識と知識が連携してくると理解も深まり、より知的好奇心が高まり、楽しくなってきます。
変化の激しい時代に生き残る為には、新しい知識を勉強し、知的好奇心を高め、変化を楽しみ、新しい価値観に柔軟に対応する力を付けることが大切だと思います。
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