「幸せ」とは | 他人の幸せを喜べると幸福感が増す

メンタルヘルス

「幸せ」と感じる状態

「幸せ」と感じる状態とは、「心が満たされている状態」です。
「幸せ」の感じ方は人それぞれです。
それぞれの人で価値観が異なり、感じ方が異なります。
よって、何を持って「幸せ」と感じるかは人それぞれです。
大金持ちでも「心が満たされていない人」は、幸せではありません。
貧乏でも「心が満たされている」ならば、幸せです。

現在、幸せでも、それは永遠に保証されるモノではありません。
好きで好きで夢中になって結婚しても、年月が経つにつれ、お互いの気持ちには変化が生じます。
欲しかったマイホームをやっと手に入れて、最初は新鮮だった気持ちも、年月が経つにつて、慣れてきて、経年劣化とともに傷み始め、色々な思い出も積み重なり、気持ちに変化が生じます。
幸せの効用は永遠ではなく、鮮度が薄れていきます。
全ての事は「無常」であり、常に変化し続けています。
「無常」が故に、永遠の「幸せ」は存在しません。

「欲望」には限りが無い

例えば、貧乏人がお金持ちになりたいと思っていて、いざお金持ちになったとすると、もっとお金持ちになりたいと思います。また美人の女性と結婚しても浮気をする男性は沢山います。
「欲望」には限りが無いのです。
人間の「欲」はモチベーションの源になっている事もありますから、「欲望」が必ずしも悪い訳ではありません。
欲望に限りがないということは、いつまでも心が満たされる事は無く、死ぬまで苦しみ続けなければならないと言うことです。
問題は、その欲望が「自分だけ」に向いているのか、「他人と共有できる」のかという事です。
他人と共有できる利益を、「自利利他」と言います。
他人と幸せを共有できると、その「幸せ」は長く続きます。
自己中心的な利益は、結局、他人を傷つけ、ブーメランで自分に返ってきて、自損損他になります。
「欲望」には限りが無いのですが、できるだけ「他人と幸せが共有できる」「他人の幸せを自分の幸せとして喜べる」ものを求めると安定します。

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説については、ご存じの方も多いと思いますが、あえてここで確認します。

  • 生理的欲求:生命活動を維持するために不可欠な、必要最低限の欲求(食欲・睡眠欲・性欲など)です。
  • 安全の欲求:身体的・経済的な安全を求める欲求です。
  • 社会的欲求:所属と愛の欲求です。人間は社会的動物です。社会集団に属することで精神的な安心を得ます。
  • 承認欲求:自分の能力を認められたいという欲求です。
    低位の承認欲求:他人に認められたいという欲求
    高位の承認欲求:自分が自分を承認できるかどうかという欲求
  • 自己実現の欲求:自分の理想を実現したいといった欲求。自分らしく生きていきたいという欲求。

マズローの欲求5段階説に加えて、「自己超越の欲求」を追加したいと思います。

  • 自己超越の欲求:自分のエゴを超えたレベルでの理想を実現したいという欲求。
  • 他者や社会など、自分以外に対する貢献

マズローの欲求5段階説の分類

物質的な欲求・精神的な欲求

「生理的欲求」「安全の欲求」は物質的な欲求に対し、「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」「自己超越の欲求」は精神的な欲求です。「幸せ」とは、「心が満たされている状態」と考えるならば、精神的な欲求が満たされる方が幸せになれるわけですが、そもそも「生理的欲求」「安全の欲求」が満たされなければ、精神的な欲求までたどり着けない可能性があります。

外的欲求・内的欲求

「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」は外的欲求に対し、「承認欲求」「自己実現の欲求」「自己超越の欲求」は内的欲求です。「幸せ」が「心が満たされている状態」と考えるならば、それは最終的に内的に満たされなければ実現されません。

欠乏欲求・成長欲求

「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」は欠乏欲求に対し、「自己実現の欲求」「自己超越の欲求」は成長欲求です。

地位財と非地位財

地位財とは、他人と比べて優れていることに喜びを感じられる財で、「お金」「社会的地位」「モノ」などがあります。
非地位財とは、他人と比べなくても幸福感を感じられる財で、健康・自由・愛情・良好な人間関係・自主性などです。
非地位財と地位財と比較すると、非地位財の方が、幸福感が長続きしやすいと言われています。
マズローの欲求5段階説の低次のものは、比較的に非地位財多く、高次のものは非地位財が多いと思われます。
他人と比較する幸せは、キリがありません。幸せは自分の心の中に存在するものです。それは物質的なモノでも金銭的なモノでもなく、地位や名誉でもなく、自分自身にあるモノだと思います。

幸せホルモン・オキシトシン

オキシトシンとは、脳内の「視床下部」で生成され「下垂体後葉」から分泌されるホルモンです。
オキシトシンが増えると、「幸福感」が増すといわれています。
オキシトシンを増やすためには、「スキンシップ」「見つめ合う」「抱擁」「キス」「愛撫」「性交渉」や「人との触れ合い」「人に対する感謝」「親切」などが有効だと言われています。
一人暮らしでこれらがなかなか難しい場合、「ペットを飼う」「柔らかいモノに触れる」「アロマ」「マッサージ」でも効果はあるようです。人は「人とふれあう事」「愛されること」で幸せホルモンが分泌されます。物質的ではなく精神的な満足によって、心が満たされ「幸せ」を感じやすくなります。

脳内麻薬ホルモン・エンドルフィン

「エンドルフィン」は、脳の視床下部の神経細胞で作られる鎮痛・鎮静作用を持つ脳内ホルモンです。
麻薬を摂取したときと同じ受容体と結びつくことで人体に多幸感を与えることから「脳内麻薬」と呼ばれることもあります。
エンドルフィンは、「運動」「入浴」「食事」「セックス」「感情で心がときめく」などで増加します。

新しい経験をすることで心がときめきます。
夢や目標は、それらを持つことで、モチベーションが高まり、幸福度が上がります。
目標に向かって感情で心がときめくことで、エンドルフィンが分泌されます。
目標があると、達成に向けて集中でき、濃い時間を過ごせます。
目標達成に近づいていけば達成感も得られ、心が満たされます。
目標を実現可能な単位に分解し、小さな精巧体験を積み重ねる事で、大きな成功体験に繋げることができます。
小さな精巧体験を重ねることで頻繁に感情がときめき、頻繁にエンドルフィンが分泌されます。

他人の幸せを喜べると幸福感が増す

他人が幸せになっているのを見て、それを素直に喜べる人は、そもそも自分自身が幸せであり、他人の幸せを喜べる心の余裕がある人です。
他人が幸せになれるよう活動できる人は、他人を幸せにし、自分も幸せになり、相乗効果的に幸せになれる人です。
究極の幸せは、「社会のために役立っていると実感できる」「人のために役立っていると実感できる」ということであり、「人に喜んでもらえる存在」「社会に必要とされる存在」になる事ではないかと思います。

人間は社会的な動物です。まずは社会的な繋がりを感じる事で、所属欲求が満たされます。
そして、社会に受け入れられ、社会から必要され、愛されることで、自分の存在価値を確認することができるのだと思います。
「幸せ」と感じる状態とは、「心が満たされている状態」です。
それは、究極は「必要とされる」「価値を認められる」「存在を認められる」と感じることであり、その為には、「社会に役に立ち」「他人の幸せを喜ぶ」事で、自他共に幸せになれるのだと思います。

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