情報は操作されている | フィルターバブル

社会的な話題

フィルターバブル

フィルターバブルとは、「インターネット上で、自分の見たい情報しか集まらなくなる」現象のことです。
インターネット上のGoogleやFacebookなどの検索エンジンは、検索履歴や個人情報などから、検索エンジンのアルゴリズムに基づいて解析し、各ユーザーの好みや嗜好性に合う情報を集中的に表示し、見たくないと思っている情報を遮断しています。この仕組みをトラッキングと言います。
見たい情報だけが自動的に表示されるので、ユーザーにとっては心地よいのですが、自分の好みや思考に合った情報ばかりが表示されることで、自分と異なる意見や多様な情報などに触れる機会が失われてしまいます。
つまり、オープンに情報を検索しているつもりが、知らず知らずに自分の考えや好みを肯定する(イエスマン的な)情報だけに取り囲まれ、偏った考えに傾倒していく危険性が潜むという事です。
例えば、自殺願望のある人には、その傾向にある情報が集められ、さらにその思考に偏ってしまう危険性があります。

現在、インターネット上にはコロナワクチンについての陰謀説が流布しており、ワークチン接種に否定的な人が増えていますが、情報の科学的な根拠には一定の疑問があると思われます。
私自身は、コロナワクチンは臨床の期間が短い為、5年10年といった長い期間での影響はわからないと思っていますが、コロナワクチンを受けなかった場合のリスクも大きいと思っています。
つまり、コロナワクチン肯定派と否定派のどちらかの意見が100%正しいというスタンスでは無く(白黒思想ではなく)、確率論的な捉え方をしています。

世の中が不安になると、白黒思想的な極端な結論を求めたがる傾向にあります。
物事にはメリットもあればデメリットもあります。
コロナワクチンには、効果もあれば、副作用もあります。リスクは必ず存在しまし、万人に対して100%大丈夫とは限りません。
臨床期間が短い為、まだまだわかっていない事実もあります。
よって、情報は不完全である事を前提として、肯定意見と反対意見をバランス良く目を通す必要があります。

しかしながら、インターネットでは検索エンジンのアルゴリズムによって「自分の見たい情報しか見えなくなる」ようコントロールされています。意識して情報を検索していかないと偏った情報だけ集めて、偏った思想に陥ってしまいます。
かつて日本が軍国主義に突き進んだように、かつてドイツがユダヤ人を虐殺したように、情報や教育が偏り、思想が偏ってしまうことは危険です。
一見、オープンに情報が提供されているように思われるインターネットにおいて、無意識的に「フィルターバブル」によって取得できる情報が偏ってしまう事は危険です。
ちなみに、ブラウザーによっては、これを無効化する「プライベートブラウジング」と呼ばれる機能が有る場合もあるので、「フィルターバブル」の無効化を検討してはいかがでしょうか?

受動的な情報接触

受動的な情報接触とは、何も意識しないで自然と得られる情報接触です。
私たちがインターネットを利用すると、「フィルターバブル」によって、「自分の見たい情報」だけが集められます。
意識しなければ、自分に肯定的な情報とだけと付き合うようになり、意見は偏ります。
人は意識したものしか目に入らない傾向にあります。
自分の信じる情報や好きな情報に接触することは、本人にとって心地よく感じられるものです。
受動的な情報接触は、多様な情報や自身と相容れない意見などに触れる機会が失わせてしまう危険があります。

能動的な情報接触

能動的な情報接触とは、自身が情報を積極的に取りに行って得る情報接触です。
能動的な情報接触においては物事を客観的・多面的に把握しようと心がけます。
信頼性の高い社会性/公共性の高い情報や、科学的根拠のある情報にアクセスし、肯定派・否定派の意見をバランスよく取り込み、一方からの視点だけでなく、色々な視点で幅広く情報に接触します。
情報は、常に「それは本当に正しいのか」と疑うことが大切です。
情報過多となっている現代において、科学的根拠が無いものやデマがあまりにも多く出回っています。
情報の信頼性を検証し、信頼性の高い情報を判断する能力も求められます。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなかったりする傾向のことをいいます。
最初に思い込みがあると、多様な情報があっても、最初の考えを支持するような情報ばかりが目に付いてしまいます。

あえて反証する

自分の考えがあった時、あえて反対する意見や反対する人の立場になって、自分とは異なる意見を肯定する立場になって、反証の根拠やロジックを組み立ててみます。
自分と同じ考えの情報は、無意識的に多く集まっているものです。
あえて自分と相反する考えの情報を集めて、異なる立場になりきって根拠やロジックを組み立ててみることは大切です。
物事には必ずメリットとデメリット、表と裏があります。
自分と相反する意見にも一理あるかもしれないと考える事で、多面的に物事を捉える事ができます。
反証するという事は、ある意味、自分の意見や思想に対して「本当にそれは正しいの」と疑ってみる事でもあります。
あえて信じるものを疑ってみて、あえて反対する立場から考えてみて、ロジックが正しいのかを検証してみる事は、ロジックの精度を上げるために必要な手続きだと思います。

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