情報選択能力 | 情報弱者は搾取される

社会的な話題

情報弱者

情報弱者とは有益な情報を得られない人、得たとしてもその情報に対して適切に対応できない人のことです。
情報弱者は常に、社会で不利な状況にさらされます。
現代は「情報弱者」が一人負けして、貧乏になる時代に突入と言っても良いでしょう。
情報弱者は搾取されます。
搾取されるとは、経済的・時間的・精神的に搾取される、不利益を被る、あるいは得られたはずの機会を逃すということです。裏を返せば、情報弱者から搾取している存在もいるわけです。
情報弱者は、税金の仕組みを知らないばかりに、本来払うべき金額以上の不必要な税金を払わされます。
ものの値段の相場を知らないばかりに法外な高値で買わされてしまいます。
情報弱者は、災害が発生したときに、自分の身に危険が迫っている情報を知らなければ、命の危険にさらされます。
災害が発生したことを知っていても、どこに逃げれば良いか、どうやって非難すれば良いか知らなければ、命の危険にさらされます。
情報弱者は、コロナウィルスのワクチン接種において、どこで接種すれば良いのか、どうやって予約すれば良いのかわからなければ、ワクチン接種を受けれません。接種の案内は公的な機関から届きますが、予約は殺到して、記載されている医療機関に連絡しても断られ、インターネットからの予約は情報弱者にはハードルが高すぎます。
情報弱者は、社会的な保証制度を知らなければ、それを利用することができません。
病気に罹って、高額な医療費を払った場合は「高額療養費制度」「医療費控除」を使えば、結構なお金が戻ってきます。
高齢になって、介護が必要になると「介護保険」である程度、支援が受けられます。
これらは、自分で情報を取得して申請しなければなりません。
情報弱者は常に、社会で不利な状況にさらされます。
情報弱者が搾取されないためには、自分で情報を取得し、身を守るために学んでいく必要があります。

知らなければ損をする

世の中には知らなければ損をすることが沢山有ります。
例えば、高額な医療費を払った場合は「高額療養費制度」を使うと、1カ月の医療費の自己負担分が一定の額を超えた分が健康保険から給付されます。例えば、入院手術で200万円かかり、3割負担で60万円を自分で払ったとしても、標準報酬月額が28万円~50万円の範囲ならば、自己負担限度額は約10万円となり、約50万円が戻ってきます。
また上記の場合、所得税の確定申告をすれば、「医療費控除」として10万円を超えた分の税金が還元されます。

定年退職すると、失業保険が受け取れますが、失業保険の有効期間は、離職日の翌日から1年間です。
1年以内に全てをもらいきる必要があり、期限を超えた分に関してはもらうことができません。離職票が届いたら、急いで自宅の住所を管轄しているハローワークで手続きをする必要があります。
失業手当受給中にアルバイトをしても良いのですが、以下の要件を満たす必要があります。

  • 待機期間中の7日間はアルバイトをしない
  • 1日の勤務時間を4時間以上にする
  • 失業認定日に必ず申告する
  • 1週間の勤務時間を20時間未満にする

高齢者の場合、程度に応じて介護保険によるサービスが受けられます。
また自己負担分が一定の金額を超えた場合、還付されます。
バリアフリーなど自宅を改修する場合には、「住宅特定改修特別税額控除」が利用できます。
定年後も同じ会社で働き続けるものの賃金が下がってしまうという場合、60~65歳に到達する月まで、「高年齢雇用継続基本給付金」が支給されます。
本人が亡くなった時、家族や知人が故人を埋葬する際には、故人が加入していた健康保険から「埋葬料」が5万円支給されます。
世の中には知らないと損をする制度がたくさんあります。
これらは、自ら情報を取得して手続きしなければ、恩恵にあずかれません。

情報選択能力

インターネットやメディアの発達により、世の中には情報が溢れかえっています。
入ってくる情報が全て正しいとは限りません。
中にはフェイクニュースも存在します。
情報操作を意図とした悪質のモノもあります。
その情報量はどんどん増えており、誤った情報に振り回されない事が大切です。

情報によってその信用度はまちまちです。
根拠のない情報に振り回されてはいけません。
根拠のない情報を鵜呑みにして、自ら根拠のない情報を拡散してはいけません。
大切なのは、溢れかえる情報の中から「正しい部分」「誤った部分」「不確実な部分」を見分け、
取捨選択して情報を利用していかなければなりません。
大切なのは「鵜呑みにしない」「吟味する」「疑ってみる」ことです。
情報を判断するには、判断するだけの能力を身につけなければなりません。
情報元の信頼性や鮮度を確認する事も大切です。
反証している情報も取得し、色々な角度から検証する必要があります。
情報の裏にある意図も考えるべきです。
客観的事実と主観的な意見・評価のいずれなのかは冷静に分析すべきです。

情報リテラシー(情報活用能力)

情報リテラシーとは、情報を目的に合わせて使用できる知識やスキルを言います。
つまり、情報を必要な時に、検索し・精査し・使用できる状態まで理解する能力です。
そのためには以下の様な事が実行できなければなりません。

  1. 適切な(課題や目的に応じた)情報を効率的に取得する
  2. 情報を正しく理解し、評価し、選択する
  3. 情報をシンプルでわかりやすく加工する
  4. 受け手にわかるよう、正確に情報を発信する。公開する。

情報を主体的に取得する

情報は、何もしないで入ってくる情報と、自ら主体的に取りに行かないと得られない情報があります。
特に高度な情報は、自ら学ぶ意思がなければ身につくモノではなく、主体的に活動し、情報を多面的・多角的に吟味し、その価値や本質を見極めていく必要があります。

情報を主体的に考察する

多くの情報を得たならば、情報と様々な事象をその結びつきの視点から捉え、複数の情報を結びつけて新たな意味を見出し、問題の発見・解決等に向けて適切かつ効果的に活用する必要があります。

疑問を持つことが大切

情報は、必ずしくも正しいとは限りません。
得られた情報に対しては必ず疑いの目を持ち、検証する努力が必要です。
物事は視点を変えると逆の結論が出る場合があります。
例えば、自分の視点ではなく相手の視点で考えると、全く異なる価値感や基準が存在し、全く異なる結論に至る場合があります。

例えば、加害者と被害者の視点は全く異なり、全く異なる論理展開が予想されます。
あえて、主客転倒して多角的に物事を考えてみると、色々な事実が見えてきます。
メリットばかり主張されている情報の裏には、必ずデメリットが隠されています。
物事には必ずメリットとデメリットが存在します。
「聞かれなかったこと」が開示されない場合が多々あります。情報の欠損です。
日本人は場の空気を読み、「下手な質問」をしないよう心がけます。
しかしながら、もしかすると疑問に思っていて聞けていないことに、本質が隠されているかもしれません。
「下手な質問」だったとしても、場の空気が悪くなったとしても、腑に落ちないならば真実を追究すべきです。

旧約聖書にバベルの塔の話が出てきます。
この話は、「天にまで届く塔を作ろう」と考え、神の怒りを買ったという話ですが、
神の領域を犯そうとした為、怒りを買ったのではなく
本質は「ろくに考えもせず、議論もせず、同調意見に流され、みんなが安易に賛成したこと」に対して、神の怒りをかったのではないかと思います。
まずは、自分の頭で「考える」「疑問に思う」「探求する」事が必要です。
他人の意見に何も考えずに流されてはいけません。
情報を多面的に解釈すると、色々な考えがあることに気付きます。
情報が完全な状態で提供されておらず、裏に隠された真実が存在する場合もあります。
まずは、疑問を持ち、情報をしっかりと吟味することが必要です。

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