見えているモノは、意識が投影しているホログラム | 認知バイアス

心理学

錯覚

以下の図を見て、外枠の線は見えないけど、左側は白い三角形、右側は黒い三角形が見えるでしょうか?

本当は、三角形は書かれていないのですが。

以下の図、下の方が、横線が長く見えませんか?

実は同じ長さです。

以下の図の真ん中にある円、左の方が小さく見えませんか?

実はどちらも同じ大きさです。

下の図、じっと見ていると動いている様に見えませんか?

実は動いていません。

人は錯覚します。誰でも錯覚することを自覚しましょう。

認知とは

では何故、人は錯覚するのでしょうか?
人はモノを見る時、以下の順に従い脳で処理を行います。

  • 知覚:五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)でキャッチする
  • 認知:キャッチした刺激が脳に送られ、情報の取捨選択がされ必要な情報に焦点を当てる(認知)
  • 認識する

「認知」とは「知覚」した刺激を経験や学習によって得た「概念」と関連付けて受け取り、判断・解釈などをする事象です。
よって、「認知」は人それぞれの経験や学習によって得た「概念」が異なるため、人それぞれの「認知」は異なります。
やっかいなのは、認知は無意識で行っているため、知覚→認識しか自覚がないのです。
人は、経験や学習によって得た「概念」が異なるため、見えている世界も異なります。
人にはそれぞれ、異なる脳のクセが存在します。
人は自分の育った環境や経験や環境によって、さまざまな影響を受けて育ち、異なる脳のクセを身に付けます。こうした認知の歪みのことを「認知バイアス」といいます。

認知バイアス

認知バイアスは、誰にでもある脳のクセです。
認知バイアスには次の様なものがあります。

  • ステレオタイピング
  • ハロー効果
  • ダニング=クルーガー効果
  • 確証バイアス
  • 正常性バイアス
  • 自己奉仕バイアス

ステレオタイピング

先入観、思い込み、認識、固定観念、レッテル、偏見、差別などです。
偏った考えに基づくため、意思決定の質を落とす可能性があります。
いったんステレオタイピングになると、その考えを肯定する情報にばかり注目して、その逆の情報は軽視するようになります。

ハロー効果

ある事柄を評価するときに目立った特徴に引っ張られてしまい、評価にバイアスがかかり歪んでしまう現象です。

ダニング=クルーガー効果

「自分が優れている」と錯覚(認知バイアス)です。つまり自信過剰で、実力が伴っていない人物や現象をさします。
自分の欠点を見れないことも起因し、自己を過大評価してしまいます。

確証バイアス

あらかじめ持っていた仮説や先入観に合致した情報だけを求める傾向をいいます。
簡単に言うと「自分たちは物事を自分が見たいように見て、聞きたいように聞く」ことです。
情報収集の際、自分の考えに都合よい確証バイアスに支配されると自分の考えに都合が良い情報だけを集めます。

正常性バイアス

人が危機に直面した際、現実を受け止められず、楽観視し「まだ大丈夫」と思い込もうとする傾向のことです。

自己奉仕バイアス

物事が上手くいったのは自分の功績だと感じ、失敗した時は他人や自分以外のせいだと思いやすい心理的な事象です。
人は自尊心を保つために、自分の失敗をできるだけ認めたくないという欲求があります。
失敗した時には責任転嫁することで、安心を得ているのです。

見えている世界は脳で認知された結果(変換された結果)を見ている
脳では以下の様に処理されているとお話ししました。

  • 知覚:五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)でキャッチする
  • 認知:キャッチした刺激が脳に送られ、情報の取捨選択がされ必要な情報に焦点を当てる(認知)

認識する

「認知」は、それぞれの人が経験や学習によって得た「概念」と関連付けて、判断・解釈します。
よって、人は、それぞれが異なる経験や学習を持っており、脳のクセも異なるため、それぞれ異なる判断・解釈します。
我々が見ている(認識している)モノは、知覚によるモノからではなく、途中、「認知」によって処理された結果を見ている(認識している)のです。
そして、人それぞれ、異なる経験や学習を蓄積しており、それぞれ異なる判断・解釈(認知)する為、見えているモノ(認識しているモノ)は異なります。
人が見ている世界は、目で見ているのではなく、脳で見ているのです。
つまりそれは、自分の発する感情と思考によって、目の前に映る現実(映像)に変換されているということなのです。
「人は自分の鏡」などと言われますが、目の前の現実世界は、自分の思いが投影しているホログラムです。
あなたが見ている世界は、あなたの意識が投影された世界で有り、すべてはあなたの内面で起こっています。
人が見ている世界は、実は無意識が作り上げた仮想世界ということなのです
ですから、映し出されるものが変わるためには、自分自身が変わらなくてはなりません。

自分の思いの投影により自分が見ている世界が創られる

あなたが見ている世界は、認知によって変換された後の世界です。
そして、あなたが信じていることは、経験や学習や育ってきた環境によって形成されており、全ての人には認知の歪みが存在します。
つまりそれは、「自分の発する感情と思考によって、目の前に映る世界(映像:ホログラム)を変化させる事ができる」ということなのです。
もし世界が全て、絶望的に見えるならば、それはあなたの思い込みが投影されてそう見えているだけです。
未来に不安な映像が見えるのは、それはあなたの思い込みが投影されてそう見えているだけです。
目の前に映る世界(映像:ホログラム)は自分の発する感情と思考によって変化させていけます。
あなたが見える世界は、あなた自身が変わることで、変えることができます。
この世界はあなたが信じたものによって、見えるものが変わるからです。
自分の中に「認知の歪み」が存在することを理解し、自分の望む世界を見えるように、「認知」を変化させるともっと楽に生きる事ができると思います。

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