ハンマーを持つ人にはすべてが釘に見える | 手段の目的化

プロジェクトマネジメント

ハンマーを持つ人にはすべてが釘に見える

ハンマーを持つと、とりあえずハンマーを使ってみたくなり、トントンと近くのモノを叩いてみます。
そして、次にハンマーで打てる釘を探し始めます。
ハンマーを持つことによって、あれもこれも叩きたくなります。
そして、ハンマーを持っている人は、「釘っぽいものは、ハンマーで打ったら良い」といった感覚に陥ります。
どの様な場面でもハンマーを使いたいと思います。
いつしかハンマーを使うことが目的となります。
ハンマーしか持っていな人には、問題が全て釘にしか見えなくなってきます。
道具として購入したハンマーなのに、いつの間にかハンマーを使うことありきで、物事を考えてしまうようになります。
特定の手段(ハンマー)に固執してしまい、問題の本質を見失い、本来選択すべき手段の判断を誤ります。
限られた手段に固執することで、問題の本質を正しく捉えられなくなります。

確証バイアス

確証バイアスとは、自己の先入観に基づいて、それを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のことをいいます。
「釘っぽいものは、ハンマーで打った方が良い」という先入観にしばられて、他の選択肢や情報を無視してしまいます。
思い込みや、決めつけが強いと、それを肯定する情報しか目に入らなくなってきます。それが「確証バイアス」です。

手段の目的化

「手段の目的化」とは、本来の目的を達成するための手段があった場合、手段を実現することばかり考えて、いつしか手段を実現する事が目的となる事です。
例えば、

a「人々を幸せにする為」に、b「システムを構築する」といった、a目的とb手段があった場合、

次にその手段を実現する為に、

b「システムを構築する為」に、c「プログラミングスキルを向上させる」といった具合に、b目的に対してc手段が設定されます。

その次に、その手段を実現する為に、

c「プログラミングスキルを向上させる為」に、d「プログラミング経験を積み重ねる」と、c目的に対してd手段が設定されます。

この様に、手段を実現することをどんどん進めていくと、手段が目的となり、本来の目的がわからなくなっていくことを「手段の目的化」と言います。
手段が目的化してしまうと、いつの間にか本来の目的がわからなくなり、本来の目的とは違った行動に時間や労力を割いてしま事になります。

「作品を作るため」という本来の目的のためにハンマーを使うという手段があったとしても、いつの間にか、「ハンマーを使うこと」が目的にすり替わってしまってしまいます。
例えば、社員のモチベーションを向上するために社員旅行始めても、年数を経るうちにマンネリ化し、次第に旅行に行くことが目的化し、モチベーション向上にはつながらないケースもあります。
目的と手段が逆転し、目的を達成する過程にこそ価値を見出すと、本来の目的から外れてしまう場合があるので、常に本来の目的を忘れないよう意識する必要があります。
手段の目的化を防ぐためには、「なんのために~するのか」を考え続ける、思考の習慣化を身につける必要があります。

過去の成功体験

過去の成功体験が今の成功を妨げる場合もあります。
過去の成功体験は、あくまで「過去」のものです。
その時の社会状況や交渉相手や環境など色々な条件が重なり合って、成功したものです。
時代が大きく変化する中、過去と同じ方法を続けるのは無理があります。
過去の成功体験にしがみついていると、時代に取り残され、過去の人になってしまいます。
「過去成功したから」と同じ方法を続け、新しい方法にチャレンジしようとしない場合、成長が止まります。
過去の成功体験は、あくまで過去の話です。
こうした過去の成功体験は捨て去ってしまったほうが良いでしょう。
特に成功体験はハンマーになりやすくなります。
ハンマーによるたまたまの成功経験を「再現」しようとしても、その時の環境や条件に合わなければ、ハンマーは最適解でない場合があります。
問題が「釘」でないとハンマーは使えません。状況に応じて「手段」を選べる柔軟さと、選択できる「引き出しの多さ」が必要です。あくまでも過去の成功体験は手段としての選択肢の一つでしかありません。
過去の成功体験にしがみついていると、今の成功を妨げる場合もあります。
自分が持っている手段に固執するのではなく、解くべき課題に合わせて手段を変えるようにしましょう。
自分がハンマーを持っているからといって、必ずしも目の前の課題が、ハンマーで解決できるものとは限りらないのですから。

疑問に思うこと

今まで上手くいったからといったとしても、今後それを継続することが正解だとは限りません。
「本当にそれでいいのか?」と疑問に思うことが必要です。
みんながそれでいいと言っていても、本当にそれが正解だとは限りません。
「本当にそれでいいのか?」と疑問に思うことが必要です。
世間で常識とされていたとしても、本当にそれが正解だとは限りません。
常識は時代と共に変化します。
「本当にそれでいいのか?」と疑問に思うことが必要です。
状況によって今までの成功体験が当てはまらない事があります。
「本当にそれでいいのか?」と疑問に思うことが必要です。
そして、状況に応じて柔軟に対応することが必要です。
ハンマー以外にも色々な選択肢を持って柔軟に対応できることが必要です。

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