品質とコストの関係
品質コストとは、予防コストと評価コストと失敗コストを合計したコストです。
予防コストとは品質問題が発生しないように事前に対策する為のコストです。
評価コストとはサービスが品質不良にならないために事前に評価・テストするためのコストです。
失敗コストとは品質に不良があった際に、事後に発生するコストです。
予防コスト・評価コストが大きいと、品質は上がり失敗コストは下がりますが、品質コストは大きくなります。
予防コスト・評価コストが少なすぎると、品質は下がり失敗コストが上がり、品質コストは大きくなります。
下のグラフの通り、予防コスト・評価コストと失敗コストはバランスを取らないといけません。
完璧な品質を求めてはいけません。
品質コストと売価について
品質コストが高くなると、それを上回る価格に売価設定しなければ利益が出ません。
しかしながら売価を高くしすぎると売れなくなり、結果、利益が出なくなってしまいます。
評価コスト・予防コストを削減過ぎると品質が悪くなり、お客様満足が得られないため、売れなくなり、結果、利益が出なくなってしまいます。
お客様満足を上げて利益を上げるためには、品質を上げて売価を抑えて、コストも下げる必要があります。
品質を上げるためにはコストがかかるのに、コストを下げなければならないのは矛盾しているようですが、難しいバランス感覚が必要なのです。
以下に価格がそこそこ抑えられているけど、品質が高くお客様満足が得られる箇所をグラフに表します。
完璧主義と商売
完璧な品質の商品を作ろうとすると、コストが上がってしまい、結果、売価がりお客様に負担を掛けてしまいます。
逆に、それでも売価を低く設定すると、商売を継続する事ができなくなり、お客様に迷惑を掛けてしまいます。
完璧なモノを求めると継続性が低くなり、理想は長続きしなくなります。
ですからバランスの良い「そこそこ」が良いのです。
とりあえず「そこそこ」を達成し、継続的に品質を上げる努力をしていければ良いのだと思います。
継続するためには、コストと品質のバランスが重要です。
完璧主義の弊害
完璧主義は次のような弊害をもたらします。
- 完璧と確信するまで動けず、始動が遅れやすい
- 自分に厳しく、他人にも厳しい
- 細部まで気にしすぎるあまり、大局を見失うことがある
- 失敗をいつまでも引きずる
- 自意識過剰で、他人の評価が常に気になる
完璧を求めすぎる為、失敗を怖れ、行動に移すことができないならば、何も生産する事ができません。
完璧を求めすぎ、自分に厳しすぎると、自分を傷つけます。
完璧を求めすぎ、他人に厳しすぎると、他人を傷つけます。
完璧を求めすぎ、他人の評価が常に気になると萎縮してしまいます。
完璧を求めすぎ、細部まで気にしすぎると、全体がおろそかになり、最終的に成果が出せなくなってしまいます。
完璧ではなく、そこそこで満足しなければなりません。
とりあえず行動する習慣
行動するかしないか躊躇したら、完璧でなくて良いので、とりあえず少しでも行動してみましょう。
例えば、英会話を習おうか迷っているならば、体験レッスンを受けるとかです。
最初から完璧でなくても良いのです。
失敗しないかもしれないと不安な場合、失敗してもかまわないと考えましょう。
失敗しても命までは取られません。
失敗してもやり直せば良いだけなのです。
失敗して嫌ならば辞めれば良いだけです。
何事も経験です。
高い理想があっても、まずは達成できそうな細かい目標に分解して、一つずつ達成し小さな成功体験を増やしましょう。
やらない後悔よりも、愚かな失敗でも後から笑い話にできるくらいの方が、人生は楽しいのです。
まずは行動してみましょう。
完璧は求めなくて、まずは行動することです。
完璧主義者は客観的な判断ができるか
人は、確率が高いほど、より確実に得られるものを選びます。
例えば、以下の2つの選択肢だとあなたはどちらを選ぶでしょうか?
a.20万円を確実に入手できる
b.80%の確率で30万円を入手できるが、20%の確率で0円になる
おそらくaと答える人が多いのだと思います。
確率論的には以下の通りになります。
a=20万円×100%=20万円
b=30万円×80%=24万円
このチャレンジが何回も繰り返されるならば、bの選択をした者がより大きな利益を得られます。
逆に確率が低い場合、人はより大きな利益を得られるものを選ぶ特性があります。
例えば以下の選択肢です。
a.5%の確率で200万円を入手できる
b.3%の確率で300万円を入手できる
おそらくbと答える人が多いと思います。
確率論的には以下の通りになります。
a=200万円×5%=10万円
b=300万円×3%=9万円
私たちが主観的にとらえる確率は客観的な確率と一致せず、客観的には低い確率が主観的には過大評価されたり、客観的には高い確率が主観的には過小評価されたりすることを「確実性効果」と呼びます。
完璧主義者は完璧を求める代わりに失敗を怖れます。
よって以下はaを求めます。
a=20万円×100%=20万円
b=30万円×80%=24万円
完璧主義者は理想が高いため、確率が低い場合、より大きな利益を得られるものを選びます。
以下だとbです。
a.5%の確率で200万円を入手できる
b.3%の確率で300万円を入手できる
完璧主義者が、ドツボにはまってしまう場面があります。
例えば、株取引において、損失を抱えている人が、「このまま株を保有していれば損失が埋まるかもしれない」と株の損切りができず、最終的にさらに損失を広げてしまいます。
完璧主義者は失敗を怖れます。完璧主義者は失敗を認めたくありません。
例えば、投資した事業が損失を出した場合、無駄にならないためにさらに投資を続け、最終的に損失がその何倍にまで膨らんでしまう場合があります。
完璧主義者は失敗を怖れます。完璧主義者は失敗を認めたくありません。
気持ちでは諦めきれなくても、客観的に難しいようであれば、あっさりと諦める方がダメージは少なくて済みます。
完璧主義はあくまでも主観的な理想論です。
判断は、冷静にロジカルに行われるべきです。
損切りは、客観的に速やかに行われるべきです。
完璧主義者は、ドツボにはまらないよう、そこそこで諦め、早めに損切りしましょう。
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