日本人は同調圧力が強い | 同調性の強い「村八分」文化

社会的な話題

同調圧力とは

同調圧力とは、多数意見持つ人に少数意見を持つ人が同調するよう暗黙のうちに圧力をかける事です。
英語ではpeer pressure(ピアプレッシャー)と言います。
人は自分とは異なるもの、自分が理解できないものに対して脅威を感じ排除しようとします。
言い換えると自分が周囲と異なると嫌われ、排除されるのではないかという恐怖から、周りに同調しやすくなります。
集団の中において同じでいることで、集団に属していると確認し安心したいのです。

例えばある集団の中で、人とは異なる独自性のある意見を言いづらいというのは同調圧力です。
仕事が早く終わっても自分だけ早く帰りづらいというのも同調圧力です。

同調圧力が行き過ぎると新しいことに挑戦できなくなったり、萎縮してしまいます。
「反対意見が言えない」「反対意見に嫌悪感を覚えてしまう」「周りの視線が気になる」「権力者に従ってしまう」といのは全て同調圧力の為です。
間違っていることに意見できない風潮は言論弾圧を生みます。
多様性を認めない社会は、かつての日本の軍国主義やナチスヒットラーのように統一思想を強制する危険性を秘めています。

日本人は同調圧力が強い

日本は、「和の文化」であり、他人と衝突することはなるべく避け、和を尊ぶという風土が根付いています。
もともと日本は単一民族であり、情・絆・気持ちが支配する社会であり、多様性の少ない社会でした。
「村」では秩序が重視され、「和を乱してはならない」とする連帯の意識は強く、村の掟(おきて)やしきたりに従わない者には「村八分」と呼ばれる制裁が科されていました。

また、家庭において家長は絶対的権力を持っており男尊女卑という文化が根付いていました。
日本では「出る杭は打たれる」ため、個人の尊厳や生命よりも「世間体」の方を重要とするようになりました。

他人と衝突することはなるべく避け、和を尊ぶというといった文化は、現代においても根強く残っていると思われます。

例えば、駅のホームでベビーカーを抱えて階段を登っていく女性を見かけますが、外国人は誰も助けない日本人を見て「信じられない」と驚くそうです。日本人は誰も声をかけていないのに、自分だけ声をかけてよいか躊躇するようです。
また、台東区で台風の際に避難所に来たホームレスが受け入れを拒否されたという出来事が起こりました。ホームレスは集団とは明らかには異なるもので、異質なものを受け入れることの体裁を気にしたため起きた出来事です。
これらは同調圧力が強い為に起きた現象だと思われます。

なぜ人は同調行動を好むのか

人間は社会的動物です。社会に受け入れられなければ生きていけません。
よって、「自分が社会に属すことができるかどうか」という事は、生存するうえで重要なこととなります。

自分が社会に許容されているかを確認する手段として、自分と周囲との共通点の確認をします。
共通点があれば、親近感を得たりと安心したりします。この心理を同調効果と呼びます。
また、人は周囲を見回し自己防衛の為、自分がそれに対して反対意見を持っていたとしても、他に反対意見がないようならば、反対意見を言わずに胸の内にしまいます。この事を自己検閲と言います。
自己検閲が起こるのは多数派から、仲間外れにされるのが怖いからです。
集団においては往々にして反対意見は歓迎されません。
集団の意思を優先し、多数派の意見を補強する意見のみが歓迎されます。
そして、反対意見に対しては、論理で反論するのではなく、個人攻撃・人身攻撃で反論され、沈黙を強要されます。
そうならない為に、自己防衛として自己検閲が行われます。

場の空気を読む

集団の意向から外れた行動や言動をすると「空気が読めていない」と孤立してしまいます。
「空気が読めていない人」は「周囲になじめないかわいそうな人」と解釈されます。
集団から浮いた存在となると、いじめやネグレクトの対象となります。
よってそういった状況にならないためにも、空気を読んで集団になじもうとする心理が高まります。
個人的には、空気が読めたとしても、勇気を出して、あえて「空気を読まない」発言をする事も大切なのではないかと思います。
私自身の考えですが、空気は読むものではなく「吸って吐くもの」=「相手の意向をよく聞いて理解したうえで正しく判断し意見を述べるもの」だと思っています。

単一性と多様性

単一性集団とは、全員が同じ思想(同じ意見)の集団です。
例えば、日本国内で国民がみな同じ思想(同じ意見)で統一されていたとしても、グローバルでは通用しないかもしれません。かつてのガラパゴス携帯電話やドコモのiモードの様に、狭い社会の中で同調性を重んじても、グローバルから取り残される可能性があります。
イノベーションは、異なる視点の発想が影響し合うことで生まれます。
日本は優れた技術がたくさんあるのに、イノベーションの起点になりにくいのは単一思考傾向が強いからだと思われます。多様性を認め、多様な人材の多様なアイデアや経験を活かせる社会が、イノベーションが生まれやすい環境です。
現代の日本社会に行き詰まり感を感じるのは、グローバル化やダイバーシティーが進まない文化的な背景があるからだと思います。

グローバルにおける変化の激しい時代

時代は世界規模で大きく変化をしようとしています。
日本の産業構造も、GAFAなどのグローバル企業に大きく影響を受けています。
競争は日本国内ではなく、グローバルで展開されています。
Amazonは日本の流通や物流に大きく影響を与えました。
日本のガラケイは消えつつあり、スマートホンはiPhoneかAndroidの2択です。
テレビの視聴は減りYouTubeの視聴が増え、メディア広告業界も変化を求められています。
日本は、狭い世界観によるの同調圧力により、グローバルの変化の波に大きく乗り遅れているのではないかと思われます。多様性に乏しく均一的で同調圧力が強く、結果よりも規律を重んじる傾向がある日本は、異質な発想が生まれにくく、ガラパゴス化が進み、世界のイノベーションから取り残されてしまうのではないかと危惧しています。

自分の基準を大切にする

あなたの人生は、たった一度しか無い奇跡のようなものです。

男性が持つ精子の数は、5,000万~1億個で精子の寿命は2日から1週間と言われています。
卵子の寿命は排卵から約24~48時間で受精が可能な時間は排卵からたった6~8時間程度と言われています。

妊娠の確率は奇跡に近く、あなたという個人がこの世に存在すること自体が奇跡的なことなのです。
ですから、あなた生まれたこと自体が奇跡であり、あなた自身、その人生を大切にすべきと考えます。
あなたが日本的な理不尽な同調圧力に従ったとしても、グローバルの流れからみると必ずしも幸せになるとは言えません。

自分自身が幸せになるためには、間違っていることは間違っていると言える社会が必要です。
そのためには、まわりに流されるのではなく、自分自身の考えを大切に保つよう努力する必要があります。

同調圧力は、ほとんど言論弾圧であり、正しい発言権さえも奪ってしまいます。
正しい事を正しいと言えるためには、何よりも周りの空気に同調して流されないと事が、重要になってきます。
そのためには自分の考え(基準)を持つことが必要です。
自分を殺して人に合わせてばかりいると、自分が分からなくなってしまいます。
自分の基準を取り戻すためには、集団が当たり前としていることをあえて疑問に思ってみる事も必要です。
色々な視点から物事を見て、反対的な意見もあえて真摯に捉え、自分の頭で考えて、例えそこに同調性を求められる空気があったとしても、あえて枠から出る勇気を持つことが必要だと思います。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました