ホメオスタシス（homeostasis）
人間には、そもそもホメオスタシス（homeostasis）恒常性維持機能が備わっています。
ホメオスタシスとは体が変化から一定の状態を維持しようとする働きのことです。
例えば、周囲の気温が高くなっても、自律神経が機能し、汗をかいて体温を一定に調節しようとする機能です。
怪我をしても、風邪をひいても、時間が経てば健康な状態に戻る。
塩分濃度や血糖値や体内の水分量などを、一定に保つ。
これらは全てホメオスタシスによる作用です。
ホメオスタシスは悪い方に作用することがあります。
ダイエットを始めても、体重が減りづらいというのは、肉体的に体を一定の状態に保とうとするためであり
ダイエットが続かないのは、心のホメオスタシスが従来の習慣を維持しようとするからです。
コンフォートゾーン（Comfort zone）
コンフォートゾーンとは、従来の慣れた快適な領域です。心理学では、ストレスや不安が無く、限りなく落ち着いた精神状態でいられる環境を示します。
「温かい毛布」に包まれるような、無理をせず快適に暮らしていくことができる環境です。
「居心地が良い」「自分らしい」「自然にふるまうことができる」、そんな意識の快適な領域です。
人は無意識のうちに、コンフォートゾーンを維持しようとします。
従来の慣れた快適な環境からなかなか離れることができません。
新しい事を始めるためには、従来のコンフォートゾーンから離れる必要があります
しかし人は、たとえ良い方向への変化であっても、従来の自分からはみ出すことに抵抗感を覚えてしまいます。
変わりたいけど変われない
新しい挑戦をしたいとき、心理的ホメオスタシスが足かせとなってしまいます。
体調管理の為に始めた、筋肉トレーニングも、ダイエットも三日坊主に終わってしまいます。
向上心のために始めた勉強も、なかなか続きません。
これらは全てホメオスタシスが従来の習慣を維持しようとする為です。
そのため、「自分を変えたい」と考えているときは、現状のホメオスタシスをいかに「解除」するかが重要です。
「今の自分を変えたい」「もっと理想の自分になりたい」「夢や目標を達成したい」と思って挑戦したり、行動を始めたりしても、すぐに止めたくなってしまうのはコンフォートゾーンによる「心理的抵抗」が原因です。
この心のブレーキを、うまく外すことさえできれば、あなたは理想の自分に変わることができます。
ホメオスタシスは「病気」も維持する
病気が長く続くと、ホメオスタシスが「現状」を維持しようとして、健康に戻ることに「抵抗」が生まれ、治りにくくなってしまいます。
人に心配してもらったり、慰めてもらったりしている状況が深層心理で「心地良い」と感じてしまい、無意識に「このままでいたい」「今の状態を変えたくない」とい感じてしまい、あえて現状を維持しようとします。
コンフォートゾーンから抜けだし変わるためには
コンフォートゾーンから抜けだし変わるためには以下を実行していかなければなりません。
- 自分が望むもの、理想、目指すゴール、夢を書き出す
- 具体的に紙に書き出してリアルにイメージしてみる
- 変わる為の環境を整える
- 習慣化する
自分が望むもの、理想、目指すゴール、夢を書き出す
心の壁を取り外すにはゴール（新しいコンフォートゾーン）の設定が必要です。
目標となるコンフォートゾーンが変わったことで、現在の自分の状態（従来のコンフォートゾーン）に居心地の悪さを感じ始め、自然とゴールを達成するための思考や行動を取り始めます。
そして、今まで気づかなかった、ゴール達成に必要なものや情報に気づき始め、具体的方法や手段も見えてきます。
設定するゴールは、何でも良いというわけではありません。あなたが本当に「心から望むもの」でなくてはなりません。
具体的に紙に書き出してリアルにイメージしてみる
脳は自分にとって重要な事のみを認識するので、ゴールが漠然としていると、リアリティが出てこないので、行動につながらなく、望む未来は永遠にやって来ません。
そのゴールが達成されたときのことをイメージしてみて下さい。心地よいイメージかどうかが重要です。
心が高揚するほどの理想の未来が自分の中にリアルにイメージできれば、ゴールに向けて強く引き寄せられていくと思います。
変わる為の環境を整える
目標や夢を公言するとか、部屋の壁に目標を張るとか、毎朝、目標を唱和するとか、毎週成果を紙に書いてみるとか、まず自分の意識を変える環境を作り、廻りの意識を変える環境を創ります。
また、自分の理想とする人や場所があるならば、理想とする人となるべく付き合い、理想の場所になるべくいる時間を増やします。
自分の理想をすでに実現・実践している人を見つけ、仲間にしてもらいましょう。朱に交われば赤くなります。
自分の理想とする場所にコンフォートゾーンを設定すれば、ホメオスタシスが解除できます
習慣化する
変化のための行動は、最初、ホメオスタシスによって痛みを伴います。
しかしながら、継続していると体も心もだんだん慣れてきて、それほど苦ではなくなってきます。
行動は習慣化するまでが、大変です。なるべくいっしょにできる仲間を増やしたり、セルフトークしたり、自分を意識的に褒めるなどして習慣化できるようにしましょう。
セルフトークでポジティブなイメージを刷り込むことにより、「エフィカシー（自己効力感）」が高められます。
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