わら人形論法(ストローマン)

思考

わら人形論法とは、相手の意見を歪曲、誇張、言い換えなどをし、本人の本来の意見でなく、都合よく歪曲した意見に基づいて論破する、というテクニックです。
具体的には以下のようなテクニックで意見を歪曲、誇張、言い換えします。

  • 全く別のことを主張していることにする
  • 拡大解釈する
  • 間違った例を持ち出す
  • 発言の一部だけを切り出す
  • 関連する別のものを主張していることにする
全く別のことを主張していることにする

(例)
A「国防予算を見直しても良いのではないか」
B「Aは、国防は重要でないと言っている」
この場合、Aさんは「国防は重要でない」とは一言も言っていません。

拡大解釈する

(例)
A「会社のセキュリティ担当には、個人情報の流出があった時、ログを確認する権利を与えても良いのではないか」
B「Aは、個人情報やプライバシーの侵害を容認しようとしている」
ログ確認は、事故が発生した時にデータの流れを確認するものであり、個人情報やプライバシーを直接見るものではありません。

間違った例を持ち出す

(例)
A「新型コロナウィルスの予防に気を付けましょう」
B「そんなこといちいち気を付けていたら何もできないよ。インフルエンザだってかかるし」
論点は「新型コロナウィルスの予防」です。「インフルエンザ」は関係ありません。

発言の一部だけを切り出す

(例)
A「この薬は、感染予防をする効果がありますが、まれに副作用として蕁麻疹が出る人がいます」
B「この薬は、蕁麻疹の副作用があるのですね」
テレビや週刊誌の編集などでは、「発言の一部だけを切り出すこと」が有りますが、悪意がありますよね。

関連する別のものを主張していることにする

(例)
A「トランプの政策には、良かったモノも多くある。」
B「Aは人種差別を肯定している」
Aさんは「良かったモノも多くある」と言っただけで差別を肯定していません。

前件否定

前件否定とは「もしXならばAである。よってXではないのでAではない」といった
「もしXならばAである」といった前件(前提)に対して、「逆もまた真なり」というロジックです。
(例)
「白人は人間である」
「彼は白人では無い」
「よって彼は人間では無い」
上記の例では、白人は人間という集合の一部ですが、前件否定によると「白人以外は人間では無い」となってしまいます。

クオート・マイニング

クオート・マイニングとは、相手の発言を元の文脈を無視して引用し、本来の意味とは異なる印象を与えるよう提示することです。前述もの「わら人形論法」と共通します。

議論で論破する場合

ある説を論破したかったら、「わら人形論法」「前件否定」「クオート・マイニング」などの姑息な事をするのではなく、また相手のアラを探すのではなく、相手の立場に立って、相手が納得する理屈を組み立てて、最善最強の言説を相手に伝えなければならないと考えます。それには表面的では無く、本質的に腹から納得するロジック構成が必要です。

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