循環論法に騙されるな

論理思考術


循環論法とは、論理が循環して堂々巡りになっている論法です。

循環論法(じゅんかんろんぽう、circular reasoning, circular logic, vicious circle[1])とは、wikipedia.org
以下の例のように、ある命題の証明において、証明すべき結論を前提として用い、命題自体の絶対的な説明が行われないため、何の論証も行なわれていません。
(例1)
「薬物法は必要だ。なぜなら違法薬物を利用する人を取り締まらなければならないから」
命題:薬物法は必要。
証明:なぜなら違法薬物を利用する人を取り締まらなくてはならないから。
※命題と証明で同じことを言っています。そもそも薬物の違法を取り締まるのが薬物法です。
(例2)
「中絶は合法であるべきだ。なぜなら女性には子供を生むかどうかの選択自由があるから。」
命題:中絶は合法であるべき。
証明:なぜなら女性には子供を生むかどうかの選択自由があるから。
※命題と証明で同じことを言っています(合法=選択自由)。そもそも合法にすべきか非合法にすべきかについて、選択の自由があるべきかどうかの議論をすべきです。

循環論法では結論を根拠に使ってしまい、前提と結論が互いに依拠し合って虚偽を犯しています。例えば「AなのはBだからだ。BなのはAだからだ」という感じです。

では次の例を見てみましょう。
(例3)
プロジェクトの開発途中で顧客から要件変更が出てきたときの事例です。
以下の3つの顧客からの要求の例を検証しましょう。
要件変更に伴う開発の見直しを検討していただけませんか?(要件のみを伝える)
こちらから伝えた要件にミスがあり、それに伴う費用や期間等を含めて開発の見直しを検討していただけませんか?(本当の理由を伝える)
要件変更は弊社にとってメリットがあるので費用内で開発の対応をお願いできませんか?(もっともらしい理由を伝える。循環論法になっている)
上記の③は最近実際起きた事例です。
「要件変更は弊社にとってメリットがあるので」は、発注者側に「伝えた要件にミスがあった」という根本的な原因が省かれていますよね。そして論理がすり替えられています。
でも、このようなごり押しは良くあることです。
このように、循環論法は悪用されているケースが沢山あります。

トートロジーとは

トートロジーとは、同語反復・同義語反復の意味です。
例えば、
「この考え方は何故正しいの?」
「正しいから正しいのだよ!」
これでは何の説明になっていませんね。
でも、立場の上の方からこの様な説明されたことありませんか?
ゴリ押しですよね。
小泉進次郎氏は、国連で地球温暖化への対策に関して以下の発言をしました。
「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」
トートロジーですね。何の説明にもなっていません。

例えばマネジメントの現場で
(サブリーダー)A君は問題があってもなかなか報告をしてくれません。
(上司)どうしたら良いのでしょうね。
(サブリーダー)ちゃんと報告してくれれば良いと思います
これでは話が堂々巡りで、具体的な原因や対策が語られておらず建設的では無いですよね。

「トートロジー」「循環論法」よる強引な論理展開により、理不尽な要求を押しつけられることがあります。論理の矛盾を論理的に説明して、建設的な議論ができるように、その場の雰囲気に流されないようにする事が大切です。

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