経験学習サイクル

努力

経験学習とは

人を成長させるために最も有効な手段は経験です。
実際の経験を通じて学ぶという考え方を「経験学習」と呼びます。
学びによって、実際に身についている割合は以下の通り異なります。
70%:自分の経験から
20%:他者の観察やアドバイスから
10%:読書や研修から

経験学習サイクルとは

経験学習サイクルは以下の4つのサイクルから成ります。

  • 具体的経験(Concrete Experience)
  • 省察(Reflective observation)
  • 概念化(Abstract Conceptualization)
  • 試行(Active Experimentation)

「具体的な経験」をした後、「省察(内省的な観察)」し、そこから「教訓(抽象的な概念化)」を導き出し、導き出した教訓を新たな状況で「試行(試してみる)」してみます。
このサイクルを繰り返すことで経験から深く学ぶ事ができます。
経験学習は、ただ経験するのでは駄目で、しっかりと振り返りを行い、自分の至らない点と向き合い、できない自分を受け入れなければなりません。

具体的経験(Concrete Experience)

具体的経験とは、自分で動いて、見て、聞いて、感じて判断することです。
現場に自ら足を運び、現物を手に取り確認し、現実をこの目で見る事で、事実を知る事ができます。
経験から得た結果を受け入れることで、より多くの「気づき」を得ることができます。
中でも自分が予測しなかった成功や失敗からは、多くの「気づき」を得ることができます。大切なのは自分で動いて、自分で考えて、自分で感じて、自分で結果を受け入れることです。

省察(Reflective observation)

経験を振り返り、その成功や失敗の理由について、より深く掘り下げます。
自らの行動やプロセス、起こった出来事、影響と結果などを俯瞰的にふり返り、「事実」に対してどのような意味があるかを「解釈」します。
振り返りでは、多様な観点からそれぞれの要素に対して「何故なのか?」と質問しながらその本質を探っていきます。そのときに、いつもと違う視点、価値観で考えなくては、新しい「気づき」は生まれません。
具体的には、良かったこと・悪かったこと、その時々に感じたこと、予想外だったことなどについて書き出して整理します。そしてその背景にある原因や「何故なのか?」と質問しながら理由を探っていきます。
いつもと同じ視点、価値観で考えていても、新しい「気づき」は生まれません。
いつもと同じ結論や同じ考えだと、いつもと同じ行動を繰り返すだけで成長はありません。

概念化(Abstract Conceptualization)

「経験」「省察」から他の場面でも応用できるように、概念化します(教訓や持論の作成)。
ここでは本質的な要素を抽出し概念化することが必要です。
概念化は自分だけでは無く他の人も利用できるところまで一般化しなければなりません。

試行(Active Experimentation)

概念化された考え方を、実際に試してみます。
概念化の時点では、まだ仮説の状態であり実証されていません。
実践を通じて仮説を検証することで、概念化されたものが正しかったと証明されます。
仮説の状態で本格導入することは、リスクが高すぎます。そのため本格導入する前に検証する必要があります。ここでも新たな気づきが得られる可能性があります。

経験学習サイクルによる効果

経験学習サイクルでは以下のような効果が期待されます

  • 同じ失敗を繰り返さなくなります
  • トラブルを事前に予見し回避できるようになります
  • 直感的に問題の本質を見抜く事ができるようになります
  • 的確に改善案について考える力がつきます
  • 失敗から学び、成長できます。
  • 仕事の全体像を俯瞰的に理解できるようになります
  • トラブル発生時に焦らず冷静に問題に立ち向かう事ができるようになります
  • 失敗があっても粘り強く目標に向かう精神が養われます
  • 学びによりよい結果を得られることにより、もっとよい結果を求めるようになります

経験学習サイクルに必要なこと

経験学習を行う場合、以下の事が大切です。

  • 経験学習は自分と向き合うことが大切
  • 経験学習には成長志向が必要

経験学習は自分と向き合うことが大切

経験から省察をする際に、自分と真摯に向き合わなければなりません。
うまくいかなかった経験に対し、「できなかった自分」を受け入れ「自分の至らない点」と向き合わなければなりません。
自分の至らない点を見ることは、精神的な痛みを伴います。
しかし至らない点から目を背けてしまったら、同じ失敗を引き起こしてしまいます。

経験学習には成長志向が必要

例え辛い経験だとしても、この経験から得られた教訓により成長できると信じる事が必要です。
経験や学習による負荷は大きなものかもしれませんが、知能は経験や学習を通して向上します。この事を信じなければ、モチベーションは保てません。
失敗しない賢さよりも、新しい事にチャレンジする愚かさは尊いと思います。
経験する事をしなければ、そこから学びはありません。

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