論理的思考:演繹法(えんえきほう)

論理思考術

演繹法とは、法則やルールに物事を当てはめて結論を出す思考法です。
一般論や法則やルール(演)と、事実や観察事項から、糸口を引き出し(繹)、結論を導き出します。
例えば

  • 一般論や法則やルール:犬は動物である
  • 事実や観察事項   :シロは犬である
  • 結論        :よってシロは動物である

です。

さらにもっと理解するために、以下の4つについて演繹法で事例を示してみます。

  • 因果関係
  • ルール
  • 方針
  • 価値観
因果関係について演繹法で結論を出す(事例)
  • 一般論や法則やルール:稼働率が80%を下回ると利益がマイナスになる
  • 事実や観察事項   :来月の稼働予測は75%である
  • 結論        :よって来月は赤字予測となる
ルールについて演繹法で結論を出す(事例)
  • 一般論や法則やルール:予算の承認が下りていない投資は行ってはいけない
  • 事実や観察事項   :現在、投資予算を使い切ってしまった。
  • 結論        :よって、今期の追加投資は行わない
方針について演繹法で結論を出す(事例)
  • 一般論や法則やルール:お客様に役立つ新ソフトウエアの開発を行う
  • 事実や観察事項   :お客様にソフトウエアの概要を説明したら好評で予約が入った
  • 結論        :よって、新ソフトウエアの開発を行う
価値観について演繹法で結論を出す(事例)
  • 一般論や法則やルール:わが社は新しいアイデアで世の中に貢献する
  • 事実や観察事項   :革新的なアイデアの事業はコストがかかる

我社にはありきたりでコストがかからない事業も存在する

  • 結論        :コストがかかっても革新的なアイデアの事業にチャレンジする

いかがでしたか?

実際には「一般論や法則やルール」「事実や観察事項」はもっと複雑だったりします。
また「結論」も前提条件によりいくつか分岐するかもしれません。
注意しなければならないのは、
「一般論や法則やルール」が間違ったものであれば、導き出される結論も間違ったものになってしまいます。
「事実や観察事項」が間違ったものであれば、導き出される結論も間違ったものになってしまうという事です。

YouTubeで女流棋士の将棋解説の動画を見ているととても面白いのですが、複雑で目まぐるしく変わる状況の中でも演繹法は使われているように思われます。

  • 将棋というルールと色々な定石(一般論や法則やルール)
  • 現在の状況や何手か先の読み(事実や観察事項)
  • 次の一手(結論)

将棋の棋士は刻々と変わる状況の中で、都度、未来を予測して次の一手の判断を行っているのがとても興味深いと思います。
世の中の状況は、実際は複雑で、常に変化していて、都度、見直しが迫られるものだと思います。
ただ、その瞬間・瞬間で演繹法のような論理的な思考を行うことは、とても有効なことだと思います。

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