アクティブラーニングとは
アクティブラーニングとは、Active(能動的)にLearning(学ぶ)事です。
学習の定着率は、それか能動的であるか受動的であるかで以下の通り異なります。
【学習の定着率】
- 講義を受けただけ(学習定着率5%)
- 読書をしただけ(学習定着率10%)
- 動画や音声等で学習(学習定着率20%)
- デモンストレーション(学習定着率30%)
- グループ討論(学習定着率50%)
- 自ら体験する(学習定着率75%)
- 他の人に教える(学習定着率90%)
学習はInputだけでは定着しづらく、Outputすることで定着しやすくなります。
私は何か興味があることについて、本を読んだりインターネットで調べたりしますが、それを整理し、自分なりの考えや経験を加えて、自分の言葉でブログ記事にまとめたりすることがあります。
知識を自分なりの表現にかみ砕いて人に伝えることで、自分の知識として定着しやすいように感じます。
アクティブラーニングの目的
アクティブラーニングには以下の目的があります
- 主体的に学ぶことを身に着ける
- 対話を通じて多様性を学ぶ
- 本質を探究する深い学び
主体的に学ぶことを身に着ける
本来、学習は人から強制されて行うものではないと思います。
自ら学ぶことに興味や関心をもち、自分の将来と結び付けながら自主的に行うものです。
学校や親から「勉強しなさい」と言われて勉強するのは、「勉強させられている」という感覚があり、モチベーションがあがりません。
アクティブラーニングは、自ら学ぶことに関心を持ち、自分の将来を考えその方向性と学習の関連性を意識させる為のものです。
主体性のある学びの習慣を身に着けると、学生だけではなく、生涯にわたって学ぶ習慣が身につきます。
対話を通じて多様性を学ぶ
アクティブラーニングでは、子供同士・教師・地域の方などと色々な人と対話し、色々な考え方があること、多様性を学びます。
多様性を知ることで多くの視点から物事を捉えられるようになるため、多くの切り口から考えられるようになり問題解決能力が鍛えられます。
また、先人の考えを手がかりにして、自らの考えを広げ深めることの大切さを学びます。
グループトークなどで一緒に影響し合う事で互いにプラスの相乗効果が得られ協調性が生まれます。
本質を探究する深い学び
学んだ知識をただ受け入れるのではなく、「本当にそうなの」「何故そうなの」と情報を確かめながら、自分なりに解釈できるまで落とし込み、自分の考えを形成し、自ら問題を見つけてその解決策を考え、新しい独自のアイデアを創造します。
社会が多様化する中で、選択肢が多様化しており、単純な答えがない場面が増えてきます。
自ら考えて、自ら決断をしていくために、表面的な知識ではなく、本質を理解して応用していく力を身に着けることが求められます。
アクティブラーニングの背景
IOT・AI・ビックデータ・通信技術の発達など、世界は技術革新により大きく変化しています。また、グローバル化が進み多種多様な思想や文化が交錯するようになりました。
産業構造や人々の働き方も社会も大きく変化してきています。
このように変化が大きく多様化の時代に、柔軟に対応し、多様な文化・思想とうまく付き合い、主体的に思考する人材が求められています。
アクティブラーニングのメリット
アクティブラーニングでは以下のような能力が身につくと言われています。
- 思考力:物事の本質を理解し、応用する力
- 判断力:どのような状況においても物事を冷静に見つめ、正しい対応や選択ができる力
- 表現力:自分の気持ちや思考を伝える能力
- 主体性:自分の意志や考えに基づき、責任を持って行動する事
- 多様性:いろいろな人種、考え方、嗜好、文化、世界があるという事を理解する事
- 協働性:一緒に考え、一緒に何かをすることでプラスの相乗効果が得られる事を理解する
アクティブラーニングではどのようなことをするの?
アクティブラーニングでは次のようなことを行います。
- 発見学習
- 問題解決学習
- 体験学習
- 調査学習
- グループディスカッション・グループワーク
- ディベート
- 学び合い
発見学習
教師が結論を与えるのではなく,学生自身に探究させ,自ら課題に対する答えを見つけたり、能動的に知識体系を構築するように導きます。
問題解決学習
直面している課題に対して、自ら能動的に問題の解決するよう促し、主体的に経験や知識を構成するよう促し、学生の自主性・創造性・思考能力を高めよう導きます。
以下のような手順で進めます。
- 課題を決める
- 解決策を考える
- 議論の中で、問題点を明確にする
- 自主的に学習する
- 問題に対して、知識を応用する
- 学習したことを要約する
体験学習
実際的な体験を通して学ぶことです。
「仕事体験」「ボランティア体験」「自然体験」などがあります
探究学習
学生自らが課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていきます。
グループディスカッション・グループワーク
与えられたテーマについてグループで議論を交わし結論をまとめたり
グループで決められた課題に対し共同で作業を行い、課題を完成させます。
ディベート
テーマを設定し、その是非について、賛成するグループ・反対するグループの2つグループに分かれて、論理的にそれぞれの主張と相手側の主張の反証を述べ、議論をします。ディベートでは自らの主張だけではなく、相手側の主張を理解しそれに対し理論的に反証を組み立てるスキルが求められます。
学び合い
グループで設定されたテーマについて学習を進めていきます。
先に理解できたものは、遅れている者をフォローし「全員達成」「1人も見捨てない集団づくり」を目指します。生徒同士で教え合うことで、問題への理解がより深まります。
学びは、学生時代だけではなく、生涯続けていくものです。
平均寿命を80歳とすると良い大学まで入るために学んだ20年間よりも残りの60年間の方がよっぽど長いのです。
生涯を通じてアクティブラーニングは必要です。
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