人は適度な緊張状態(ストレス)で、最適なパフォーマンスを発揮します。
これを、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」といいます。
ストレスは心理学用語で「覚醒」と言います。
人は多少のストレスがあった方が、集中力が高まります。
集中力が高まると、作業効率(パフォーマンス)が高まります。
しかし、ストレスが高すぎると不安や緊張が高まりすぎパフォーマンスは落ちていきます。
例えば、上司が担当者に超簡単な課題を、期限を伝えずに与えたとすると、担当者はその課題にモチベーションを感じません。そして、上司からの命令がその簡単な課題ひとつだけだったならば、担当者は「やる気なし」の状態が続き、次第に能力は低下していきます。
逆に、難易度が高くペナルティーが大きい課題を、緊急で担当者に依頼すると、担当者の緊張は一気に高まります。頑張ればできるレベルだったら良いのですが、その担当者のキャパシティを完全に溢れる内容だと、その担当者を潰してしまう可能性があります。
よって、課題を与える際には、少し頑張れば達成できるくらいのレベルを与えるのが良いと思います。
人は興奮度が低すぎると、課題に魅力を感じません。しかし、興奮度が高すぎると緊張が高くなりすぎ、かえって集中力が欠けてしまいます。
効率は生理的・精神的覚醒と共に向上しますが、それは一定の点までです。
興奮レベルが高すぎると、効率は下がります。
覚醒と効率を高める一番良い方法は、常に適度な警戒状態に置くということです。
適度な緊張状態(ストレス)は人によって異なります。
外向的な人と内向的な人では、外向的な人の方がうまく対処すると言われています。
自信のある人は、ストレスの耐性は高く、自信のない人はストレスの耐性は低い傾向があります。
自信のある人は自分の能力を信じることができるだけの実力を持っており、圧力がかかっていても「できる」という自信があるので落ち着いていられます。
課題の複雑さも、ストレスに影響する要因です。その課題に対応できるだけの能力があるかを見極めないと課題に潰されてしまう可能性があります。
筋肉にしても精神にしても、適度な負荷を与えることにより、能力は向上しますが、負荷が高すぎると壊れてしまいます。負荷が低すぎると、能力は衰えていきます。負荷を与えていると、少しずつ負荷に対する耐性が身につき、少しずつ負荷を上げても大丈夫になっていきます。
自分の能力を少し上回る負荷(チャレンジ)をすることにより、パフォーマンスは向上していきます。決して焦ったり無理したり急いではなりません。持続的に少しずつ上げていければ良いと思います。
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