女優の樹木希林さんが、問題ばかり起こす夫の内田裕也さんについて聞かれたとき
「なんで夫と別れないのとよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。
ありがたいというのは漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書きます。
人がなぜ生まれたかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなのでは
ないでしょうか。」
と答えたそうです。
「有難い」は、「有る（あること）」と「難い（むずかしい）」の2語からできています。
難しい事が「有る」人生を生きる事は「有難い」と樹木希林さんはおっしゃっています。
難しい事が「無い」人生を生きる事は「無難」な人生です。変化の無い人生です。
お釈迦様は、「人の生を受くるはかたく、やがて死すべきものの、いま生命あるはありがたし、仏法を耳にするは難かたく、諸仏の世に出づるもありがたし」と説かれています。
生まれてくることは、奇跡と言えるほどありがたいことなのです。
そしてやがて死ぬことはあたりまえなことなのです。
私たちは、奇跡的に生を受けてこの世に生まれてきたことを有り難く感謝しなければなりません。そしていろんな難を受けながら成熟していくことも有り難く感謝しなければなりません。
人から何かしてもらったとき、私たちは「ありがとう」と言います。
人からの気遣いに対する感謝の言葉です。
何をしてもらっても、「あたりまえ」と思い、感謝の心がなければ、人は幸せを感じることはできません。
仏教で「自利利他」という言葉があります。
自分の幸せがそのまま他人の幸せになり、他人の幸せがそのまま自分の幸せになります。
他人が幸せになるよう行い、「ありがとう」という言葉で自分も幸せな気分になります。
この世で最も不幸な人は感謝の心がない人です。
相手に「ありがとう」と言うだけで幸せホルモンのオキシトシンが分泌されるそうです。
生を受けた事に感謝し、難を受けながら成熟していく人生を送れることに感謝し、人と喜びを分かち合いながら人生を送れることを感謝し、「ありがとう」と幸せホルモンを沢山振りまきながら生きていきましょう。
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