SNSの炎上、有名人の不倫バッシング、隣国へのヘイトスピーチの過激化、コロナ下での自粛警察、など正義をかざして、自分とは直接関係ない人への攻撃が近年加速化してきているように思えます。先日もホリエモンが「餃子店にてマスク拒否したことで入店拒否されたこと」をSNSに書き込み、当事者以外(ホリエモンでも店の人でもない)の、全く関係ない人から店が大量の誹謗中傷や迷惑電話を受け閉店を余儀なくされていると聞きました。
どちらが正しいかは、私は当事者ではないので特にコメントしませんが、ネットが発達したことにより、情報がすぐに拡散し、見ず知らずの人から集団で攻撃される恐ろしさを感じています。
世の中には、色々な人が存在し、色々な考え方を持ち、色々な嗜好が存在するものです。
自分とは異なる考えや行動を理解できず、許せないと過激に攻撃することを「正義中毒」といいます。このような人は、「自分の考えが絶対に正しい」と信じて、相手の考えを理解しようとしません。
そもそも人間は、個体としての弱さ補うため、集団を形成してきました。
そして、安全を守るために集団から外れるものを攻撃することは、集団を持続するために不可欠な事でした。よって人間は、本能的に自分や自分が所属する集団と異なるものを攻撃する性質が備わっています。
人は、集団から外れるものを攻撃すると脳内に快楽物質(ドーパミン)がでるそうです。
特に日本人は、地理的に災害が多く集団主義的な性質が強いと考えられます。
現代はインターネットが発達し、「クリックしてもらう」ためにユーザー全体の好みを分析し、個々の検索の傾向を分析して、それに合わせて関心のありそうな情報や広告を優先的に表示しています。本人が好む情報が優先して表示されるため、本人の都合の良い情報ばかりが集まりやすくなっています。
SNSは似た者同士が繋がりやすくなります。
自分と同じ思考をするグループに属し、自分が欲している情報だけを受け取ります。
インターネットは一見オープンなようで、実はフィルターにかけられた情報が提供され、限定的であるかもしれないということを、意識する必要があります。
「正義中毒」は脳の発達や衰えとも関係しています。脳は30歳位まで成長し、その後加齢とともに保守化していきます。
年を取ったら頑固になったり怒りっぽくなるのは脳の保守化が原因だと思われます。
しかしながら脳の老化は以下のようなことを行うことにより防止することができます。
- 新しい挑戦や経験をする
- 不安定・過酷な環境に身を置く
- 安易に決めつけたり、分類しない
- 多様性を許容する
人が自分と違う事が許せないというのは、脳が保守的になってきている兆候です。
人にはいいところも悪いところもあります。
また、いろいろな考えにもいいところも悪いところもあります。
多様な人や考え方があってよいのです。
そもそも完璧な人は存在しません。
自分自身のことですら理解できず、自分を100%好きになることも難しいものです。
それが他人となればなおさらです。
誰かに対して自分の正義を主張し強要することは、誰かを縛る行為にほかなりません。
多様性を狭めた集団は滅亡に向かいます。
お互いに正義を振りかざし縛りあうと、身動きが取れなくなります。
最近ネットによる誹謗中傷による自殺が増えていますが、少し他人や自分に厳しくなりすぎていると思います。
人は失敗することもあるし、欠点があって当然です。
自分と考えが違っていても、好みが違っていてもどちらが正しいとも言えません。
「人を許せない」はあなたや他人の心を縛り付け苦しめていると思います。
多様性を許容して、多少のことは緩くとらえて、優しくありたいと思います。
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