マルチタスクで生産性は上がるか

仕事

マルチタスクとは、複数のタスク(作業)を同時進行で処理することです。
これに対して、シングルタスクは、複数のタスク(作業)があった時、一つずつ順番に完了させていくことです。

コンピュータでは、人間の脳にあたるものがCPUと呼ばれていますが、CPU(コア)が一度に処理できるのは、ひとつのタスク(作業)だけです。実際コンピュータが同時に複数の処理をいるように見えているのは、OS(オペレーティングシステム)が複数のタスク(作業)を細かく分割し、時間を区切ってすばやく切り替えながら実行しているからです。これをタイムシェアリングと呼びます。
タイムシェアリングシステムとは、CPUの処理時間を決まった短い時間に分割し、順番に異なるタスクに割り当てることで、効率的にCPUを利用できるようにするシステムです。

人間の脳も、一度に一つの物事しか処理できないようにできています。
人がマルチタスクを行っているときは「複数のタスクを同時に処理している」のではなく、CPUのタイムシェアリングと同様、脳が瞬時にスイッチを切り替えることで、表向きは「同時に処理している」ように見えているだけです。

よって、多くのタスクを同時に処理しようとすると、脳を細かく切り替えることで脳が疲れ、集中力が落ちてしまいます。また過剰に切り替えを繰り返すと脳にストレスがかかり、脳細胞の破壊に繋がります。
複数の作業を同時に行っても、その合計のパフォーマンスは100%を超えることはないと言われています。また過度なマルチタスクは効率を下げると言われています。

マルチタスクには次の2種類があります。
・脳と脳を使うマルチタスク
・脳と身体を使うマルチタスク

脳と脳を使うマルチタスク

脳と脳を使うマルチタスクは、複数の頭脳労働を同時に行うものです。
例えば、A社向けのシステム開発とB社向けのシステム開発を同時に行うといった場合です。
A社向けのシステム開発とB社向けのシステム開発の内容が全く異なった場合、A社向けの開発作業とB社向けの開発作業を同時に行うことはできません。

またA社向けからB社向けの開発作業に切り替わるときに、脳の切り替え作業が必要となります。
脳の切り替え作業が頻繁だと集中力が落ちてしまい効率が下がります。
脳が集中し始めるのは、作業を始めてから20分過ぎたあたりからで、集中力の限界は90分程度だそうです。ですからタスクは1個につき、30〜90分くらいで出来るサイズにし、一つのタスクを行っているときは、他のタスクは忘れ、そのタスクに集中した方が良いと思われます。

脳と脳を使うマルチタスクの良い例

  • 「上司のチェック」などのやむを得ない待ち時間を別のタスクにあてる
  • 一つのタスク(作業)に飽きたので、気分転換に別のタスク(作業)にとりかかる

脳と脳を使うマルチタスクの悪い例

  • 集中しなければならないタスク(作業)の途中で、メールをチェックする
  • A社向けの開発作業を行っている最中に、B社向けの開発のトラブルが気になって集中できない

脳と身体を使うマルチタスク

脳と身体を使うマルチタスクは、頭脳と身体を同時に使うものです。

例えば以下のものです。

  • テレビを見ながらトレーニングをする
  • 通勤中に英語学習をする
  • 食事をしながらお喋りする
  • 洗濯をしている間にメールのチェックを行う
  • ごはんが炊き上がる間に、勉強をする
  • ウォーキングをしながら英単語を覚える
  • 音楽を聴きながらジョギングをする

メリットとしては以下のものがあります

  • 一度に2つのタスク(作業)が終わる
  • 身体を同時に動かすと、記憶が定着しやすくなる
  • 退屈なタスク(仕事・単純作業)を楽しくすることができる
  • 苦手なタスク(作業)への抵抗感が薄まる

注意しなければならない事は、スマホ+テレビなどメディア同士の組み合わせは脳に良くないので避ける必要があるという事です。また歩きスマホなど他者が関わる作業は注意が必要です。

効果を出すコツとしては、以下の様なものがあります

  • 同時に行うのは2つまでに抑える
  • どちらか一方を「慣れているもの」「考えなくてよい単純なもの」にする
  • 難しいタスク・重要なタスクはマルチタスクしない

人間の脳は一度に一つのことしか処理できません。
マルチタスクは脳のスイッチをその都度切り替えなければなりません。
スイッチの切り替えにはエネルギーが必要です。
あまり頻繁に繰り返すと脳はオーバーヒートしてしまいます。
マルチタスクのコツは「やり過ぎないこと」です。

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