組織のプロジェクトマネジメントに関する成熟度について、CMMI(Capability Maturity Model Integration)において、5段階の成熟度レベルが定義されています。
成熟度レベル
- レベル1:初期レベル
- レベル2:管理されている
- レベル3:定義されている
- レベル4:定量的に管理されている
- レベル5:最適化されている
レベル1:初期レベル
作業が場当たり的で、プロセスも確立されていない状態です。
成果物が明確に定義されておらず、予算や納期を超過するリスクが高く、品質も不安定です。
超過労働やリスクに対する意識の欠如があり、過去の失敗を繰り返す可能性があります。
成功する場合は、高い能力をもつ個人に依存します。
レベル2:管理されている
初歩的な管理がプロジェクトマネージャのコントロールにより実施されています。
要件が管理され、計画・実施・計測などのプロセスが制御されています。
組織的に定義された管理ではないためプロジェクトマネージャの能力に左右されます。
よって、予算・納期・品質に関するリスクは依然として存在します。
レベル3:定義されている
組織の標準プロセスがテーラリングによって確立しており、時が経つにつれ標準プロセスは改善されます。
テーラリングとはプロセス・書式等を文書化・標準化するものです。
テーラリングを守っていれば、個人的な成果のばらつきがなくなります。
レベル4:定量的に管理されている
プロセスの遂行を定量的に測定し、統計的・定量的な技法により分析・制御・予測します。
作業進捗・品質を数値化し、分析することで、より客観的な管理を実現します。
定量化データの収集・分析は組織内で横断的に行われ、組織のノウハウとして蓄積されます。
レベル5:最適化されている
以下の取り組みを繰り返し、最適化を図ります
- 継続的なプロセス改善
- トラブルの予測と対策
- 新しい提案や技術の費用対効果分析
- 組織全体での情報共有
テーラリング(プロセス・書式等の文書化・標準化)は、あくまでも方法論です。
すべてのプロジェクトに同じ方法論が当てはまるとは限りません。
また、一度決めた方法論が永遠に正しいとは限りません。
継続的なプロセス改善は大切なことですが、時代の変化により破壊的イノベーションに遭遇するかもしれません。
プロジェクトや企業活動における目的を理解し、方法論を定期的に見直し最適化する必要があります。
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