経験学習モデル

仕事

社会人の能力開発の70%以上は、現場での経験によるものだと言われています。
学校の教室でなされる授業や企業の集合研修はどうしても汎用的な理論や知識が多くなってしまいます。しかしながら社会においては、汎用的な知識だけでは対処できない場面がたくさんあります。

「仕事のやり方を手取り足取り教えて欲しい」という新入社員が多くいます。
2年目3年目の社員でも「教えてもらわないとできない」「指示されないと動けない」といった人は多いかと思います。
ただし自分で経験し、自分で考え、自分で工夫しないと成長は実感できなと思います。

実際の経験を通し、失敗や成功を経験し多くの試行錯誤することでより深く学べるという考え方を、「経験学習」と呼びます。
経験学習サイクルは、「経験」「省察」「概念化」「実践」という4つサイクルから成ります。

経験(Concrete Experience)
具体的な経験をする中で、自分で考え、自分で動いて、結果を受け入れます。
机上では想像できない状況を意図的に作り出し、経験することは貴重です。
それまで暗黙的になされていた自分自身の行動においては想像できない経験に出会った場合、従来の能力のままでは適用できず、新たな能力の開発が必要になります。その時、人は成長します。

省察(Reflective observation)
経験をさまざまな観点から振り返ることです。
自分自身を客観的に眺め、失敗の原因はなんだったのか、あるいはうまくいったのはなぜなのかを考えます。
振り返るとき、いつもと同じ価値観・視点で考えていたら、新しい「気づき」はありません。多様な観点で、客観的に自分の行動を振り返ってみる必要があります。

概念化(Abstract Conceptualization)
汎用的に応用できるよう、本質的な要素を抽出し、一般化・概念化します。

試行(Active Experimentation)
仮説を立て、新しい場面で実際に試してみます。
100%でなくてもいいので、6割ぐらいいけると思ったら実行します。
そして、さらに実行しながら、ブラッシュアップしていきます。
「実行しないで厳密さを求める」よりも「まず不完全でも試行してみる」方が前に進むことができると思います。

できる人は同じ失敗を繰り返しません。経験から学ぶからです。
転んでもただでは起きません。失敗してもそれを学びの糧にするからです。
経験から予見できるトラブルは事前に回避します。
そして「どうやってやるか」よりもまず本質を考え、「何をすべきか」を考えて行動します。

新しい経験すると、ストレスと感じる人も多いでしょう。
でも、それは、人が成長する為には必要な「成長痛」のようなものです。

「変化」や「失敗」を前向きに捉えるか否かは人によると思います。
考え方次第で、気持ちはずいぶん変わると思います。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました