プロジェクトの要件定義

システム開発

プロジェクトの進め方の考え方として、段階的詳細化という考え方があります。
国際資格であるPMP試験(Project Management Professionalの略)を勉強すると、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたPMBOKという標準に、段階的詳細化について詳細に記載されています。

段階的詳細化とは、プロジェクトにおける要件を段階的に詳細化していくという考え方です。プロジェクトでは未知なる新しい要件をまとめていかなければなりません。またプロジェクトを始めた当初は、どれだけの要件量(ボリューム)があるかもわかりません。
よって、いきなり詳細からまとめるのではなく、大きな要件からまとめていき、それを段階的に詳細にまとめていきます。

私がコンサルティングとして入る場合は、要件定義には2つの進め方があります。
一つの進め方は、プロジェクトの目的・背景・解決したい課題・求める効果など、プロジェクトの芯となるところからヒヤリングし、徐々に必要な要求事項を段階的に詳細にまとめていく方法です。

もう一つの進め方は、そもそもお客様が目的・背景・解決したい課題・求める効果など具体的にまとまっていない場合、まず現状分析を最初に行い解決すべき課題・有効な改善と効果を整理してから徐々に必要な要求事項を段階的に詳細にまとめでいく方法です。現状分析では現行システムや現行業務を業務フロー・データフロー・課題整理表などから整理していきます。

この二つの方法では、圧倒的に後者の方が多いです。
PMBOKでは、「どのように実現するか」という実現方法については要件定義には含まないと記載していますが、私はあえて要件定義で「どのように実現するか」「予算に収まるか」「希望納期に収まるか」を意識してまとめます。プロジェクトには予算や期限があります。限られた予算・期限の中でいかにお客様の要件を希望通りに実現化するかを要件定義でまとめます。

要件定義でよくありがちなのが、要件を全て拾おうとする事です。全ての要件を拾うと予算や期限はほぼ守る事ができません。大切なのは要件を拾うのではなく、不要な要件を切る事です。予見定義の中でいかに予算内・期限内で不要な要件を落とし必用な要件にまとめるかがコンサルとしての腕の見せどころです。

また、私は、要件定義にて具体的なイメージ(モックアップ)を作成してお客様とウォークスルーレビューを実施します。紙面での画面イメージでは後から、認識のギャップが生まれ、客先とのトラブルとなります。そうならないようにする為に、最終系のイメージ合わせをします。建築前のマンションを購入する場合でも、建物の模型やモデルルームを見学する事ができると思います。同じようなものです。

それと、要件がまとまった後にシステム性能やパフォーマンス、データ構造や実現可能性も大雑把ではありますが目途を付けます。
要件定義後に見積を作成して、設計・開発・テストなどの開発フェーズに入る訳ですが、スコープが明確にできているので後からトラブルになりにくいと思います。

PMP試験に受かってもプロジェクトマネジメントに失敗する例が多くあると言われています。PMBOKは理論であり、経験を重ね自分なりの方法に進化させていき、失敗しないよう工夫する必要があると思います。

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