「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」
平家物語の冒頭にでてくる、おなじみの文章です。
この中にある諸行無常とは、どういう意味かというと
「全てのものは、今この瞬間、変化し続けており、常に同じであるものは無い」という事です。
今という時間は、未来に向かって進んでおり、朝昼夜、春夏秋冬と光も気温も風の強さも、一瞬一瞬変化しており、人もまた、昨日・今日・明日と進んでいく時空の中で、光や気温や風の強さも変化する環境に生きており、経験する事や感じる事や考える事も常に変化していきます。
時の流れにより、子供は成長し、やがて学生を卒要して社会人になり、いくつもの経験とともに年を取っていき、老いて、最後は死を迎えます。
会社もまた、時代の流れの中で、ニーズの変化にさらされ、新規事業を始めたり、不採算部門を無くしたり、リストラを実施たり、倒産したり、合併したり色々と変化していきます。
社会では、新しく生まれてくる製品・サービス・制度・職業もあれば、無くなっていく製品・サービス・制度・職業もあります。
世の中に永久不変のものはなく、人の心でさえ常に変化し続けており、永遠だと信じた愛ですら、時間の経過により変化してしまうものです。
永久不変のものはない、人はいつか必ず死ぬ、だからこそ「死」に対して「生」がかけがえのないものであることを認識できます。
「かけがえのないもの」とは「無くなったら他に代えるものがない・この上なく大切な」という事です。
現状にしがみつくことが執着であり、変化の流れに抗う事(執着心)から苦しみが生まれます。
諸行無常(常に変化する)を認め、今できることを精一杯行い、「生きる」を充実させていく必要があります。
一度しかない人生です。
変化する、かけがえのない今の一瞬一瞬を大切に生きていきたいものです。
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